肝臓及び胆嚢に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。…

人体の働きと医薬品 第62問

肝臓及び胆嚢に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。a 胆汁酸塩には、脂質の消化を容易にし、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがある。b 肝臓は、脂溶性ビタミンや水溶性ビタミンの貯蔵臓器としても働く。c 消化管から吸収されたアルコールは、肝臓でアセトアルデヒドに代謝されたのち、そのままの形で腎臓から排泄される。d 肝機能障害や胆管閉塞が起こると、ビリルビンの排泄が増加するため、便が濃い茶褐色になる。

正答 (1)
正答は (1)。正しいのは(a)(b)の2つです。 【(a)正しい ―― 胆汁酸塩の働き】 胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸の塩類)には、脂質の消化を容易にし、また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。 胆汁酸塩は脂質を乳化して、リパーゼが働きやすい状態にします。洗剤が油汚れを落とすのと似た仕組みです。 なお、腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻ります。これを腸肝循環といいます。この用語も頻出です。 【(b)正しい ―― 肝臓はビタミンの貯蔵庫】 肝臓は、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D等)だけでなく、水溶性ビタミン(ビタミンB6、B12等)の貯蔵臓器としても働きます。
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「水溶性は溜まらない」という一般論から「肝臓に貯蔵されない」と判断してしまいがちですが、手引きでは両方の貯蔵臓器であると明記されています。 そのほか、肝臓の機能を整理します。  栄養分の代謝・貯蔵 …… ブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵。   脂質をエネルギー源に転換  有害な物質の無毒化・代謝 …… アルコール、アンモニアなど  生体物質の産生 …… 胆汁酸、アルブミン、血液凝固因子、   必須アミノ酸以外のアミノ酸  ビタミンの貯蔵 【(c)が誤り ―― アセトアルデヒドで終わらない】 消化管から吸収されたアルコールは、肝臓でアセトアルデヒドに代謝されたのち、さらに酢酸へと代謝されます。 「アセトアルデヒドのままの形で腎臓から排泄される」という記述は誤りです。 アセトアルデヒドは、二日酔いの原因物質として知られる有害な物質です。これがそのまま体内を巡って腎臓から出ていくのでは、肝臓が無毒化しているとはいえません。 なお、アンモニアは肝臓で尿素に代謝されます。アルコールは酢酸へ、アンモニアは尿素へ、と対にして覚えてください。 【(d)が誤り ―― 便は白っぽくなる】 肝機能障害や胆管閉塞が起こると、ビリルビンが循環血液中に滞留し、黄疸を生じます。 黄疸とは、ビリルビンが胆汁中へ排出されず、血液中に滞留することにより、皮膚や白眼が黄色くなる症状です。 このとき、ビリルビンが腸管に出ていかないため、便は色が薄くなり、白っぽくなります。「排泄が増加するため、便が濃い茶褐色になる」という記述は正反対です。 ビリルビンは、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、糞便を茶褐色にする色素です。その通り道が塞がれれば、色がつかなくなる、という理屈です。 【肝臓に関するその他の重要事項】  小腸で吸収されたブドウ糖は、   血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる  肝臓は必須アミノ酸以外のアミノ酸を生合成できる  胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、   腸管内に排出された後、腸内細菌によって代謝される  アルコールの代謝は、   エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸の順に進む

出典:登録販売者試験 令和2年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ

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