中枢神経系に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。…
人体の働きと医薬品 第30問
中枢神経系に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。ア 脳は、細胞同士が複雑かつ活発に働くため、酸素の消費量は全身の約50%である。イ 脊髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢がある。ウ 中枢神経系は、脳と延髄から構成されている。エ 脊髄は脊椎の外にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えている。
- (1)ア: 正 イ: 正 ウ: 正 エ: 誤
- (2)ア: 正 イ: 誤 ウ: 正 エ: 正
- (3)ア: 誤 イ: 正 ウ: 正 エ: 誤
- (4)ア: 誤 イ: 正 ウ: 誤 エ: 正
- (5)ア: 誤 イ: 誤 ウ: 誤 エ: 誤
正答 (5)
正答は (5)。(ア)から(エ)まで、すべて誤りです。
【(ア)が誤り ―― 酸素の消費量は「約20パーセント」】
脳は、細胞同士が複雑かつ活発に働くため、エネルギーを多く消費します。正しい数値は次のとおりです。
血液の循環量 …… 心拍出量の約15パーセント
酸素の消費量 …… 全身の約20パーセント
ブドウ糖の消費量 …… 全身の約25パーセント
設問は酸素の消費量を「約50パーセント」としており、誤りです。
覚え方 …… 15、20、25と
5きざみで増えていくと覚えると、3つまとめて思い出せます。
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並び順は血液 → 酸素 → ブドウ糖です。
【(イ)が誤り ―― 心臓中枢や呼吸中枢は「延髄」にある】
延髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢などがあります。脊髄ではありません。
延髄の位置づけ ……
脳の下部にあり、脊髄へと続く部分です。
生命の維持に不可欠な機能を担っているため、ここが障害されると生命に関わります。
その他の中枢
嘔吐中枢 …… 延髄。
乗り物酔いや、抗がん剤による吐きけはここが関わります。
咳嗽中枢 …… 延髄。
鎮咳成分(コデイン、デキストロメトルファン等)はここに作用します。
体温調節中枢(温熱中枢) ……
脳の下部にあり、プロスタグランジンが作用して体温を通常より高く維持するよう調節します。
【(ウ)が誤り ―― 中枢神経系は「脳と脊髄」】
中枢神経系は、脳と脊髄から構成されています。「脳と延髄」ではありません。延髄は、脳の一部です。
神経系の全体像
中枢神経系 …… 脳、脊髄。
末梢神経系 ……
体性神経系(随意運動、知覚)と自律神経系(無意識の機能)。
自律神経系はさらに交感神経系と副交感神経系に分かれます。
【(エ)が誤り ―― 脊髄は脊椎の「中」にある】
脊髄は、脊椎の中にあります。「外」ではありません。
脊髄の働き ……
脳と末梢の間で刺激を伝えているという後半の記述は正しいものです。
さらに、末梢からの刺激の一部に対して、脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射といいます。
熱いものに触れたとき、「熱い」と感じるより先に手を引っ込めるのが、この例です。
【血液脳関門】
脳に関して、もう一つ重要な論点です。
脳の血管は、末梢に比べて
物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質等の大分子や、小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。
これを血液脳関門といいます。
小児 …… 血液脳関門が未発達なため、
医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすいとされます。
高齢者 …… 血液脳関門の機能が低下しているため、
同様の注意が必要です。
出典:登録販売者試験 令和2年度(福岡県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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