胃腸鎮痛鎮痙薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。…
主な医薬品とその作用 第68問
胃腸鎮痛鎮痙薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。ア ジサイクロミン塩酸塩は、交感神経の伝達物質であるノルアドレナリンと受容体の反応を促進することで、消化管の運動や胃液の分泌を抑える。イ パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すほか、胃液分泌を抑える作用もある。ウ オキセサゼインは、眼圧を上昇させる作用を示すことが知られており、緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがある。エ 鎮痛鎮痙の効果を期待して局所麻酔成分が配合されている場合があるが、痛みが感じにくくなることで重大な消化器疾患や状態の悪化等を見過ごすおそれがあり、長期間にわたって漫然と使用することは避けることとされている。
- (1)ア: 正 イ: 正 ウ: 誤 エ: 誤
- (2)ア: 正 イ: 誤 ウ: 正 エ: 正
- (3)ア: 誤 イ: 正 ウ: 正 エ: 正
- (4)ア: 誤 イ: 正 ウ: 正 エ: 誤
- (5)ア: 誤 イ: 誤 ウ: 誤 エ: 正
正答 (5)
正答は (5)。正しいのは(エ)だけです。
【(ア)が誤り ―― ジサイクロミンは「抗コリン成分」】
ジサイクロミン塩酸塩は抗コリン成分です。副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えることで、消化管の運動や胃液の分泌を抑えます。「ノルアドレナリンと受容体の反応を促進する」のではありません。
抗コリン成分の胃腸鎮痛鎮痙薬 ……
メチルベナクチジウム臭化物、ブチルスコポラミン臭化物、メチルオクタトロピン臭化物、ジサイクロミン塩酸塩、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、チキジウム臭化物、およびロートエキス。
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共通する副作用 ……
散瞳による目のかすみや異常なまぶしさ、口渇、便秘、排尿困難。
排尿困難、心臓病、緑内障の診断を受けた人は相談が必要です。
服用後は乗物又は機械類の運転操作を避けます。
メチルオクタトロピン臭化物とロートエキスは母乳に移行するため、授乳中の人は注意が必要です。
【(イ)が誤り ―― パパベリンに胃液分泌抑制作用はない】
パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示しますが、抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用はありません。
前半は正しく、後半だけが誤りという作りです。
「直接働く」のがパパベリン、「神経を介して働く」のが抗コリン成分、という違いも押さえてください。
注意点 ……
パパベリン塩酸塩は眼圧を上昇させる作用を示すため、緑内障の診断を受けた人では症状の悪化を招くおそれがあり、相談が必要です。
【(ウ)が誤り ―― 眼圧上昇はパパベリンの注意】
オキセサゼインは局所麻酔成分であり、眼圧を上昇させる作用で知られているわけではありません。眼圧上昇の注意があるのは、パパベリン塩酸塩や抗コリン成分です。
オキセサゼインの特徴
局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用されるという珍しい成分です。
精神神経系の副作用として、頭痛、眠気、めまい、脱力感が現れることがあります。
妊娠中や15歳未満の小児では、安全性が確立されていないため、使用を避けることとされています。
この年齢制限は頻出です。
【(エ)正しい ―― 局所麻酔成分と漫然使用の回避】
鎮痛鎮痙の効果を期待して局所麻酔成分が配合されている場合がありますが、痛みが感じにくくなることで、重大な消化器疾患や状態の悪化等を見過ごすおそれがあり、長期間にわたって漫然と使用することは避けることとされています。
実務上の助言 ……
痛みが繰り返し現れる場合や、嘔吐や発熱を伴う場合、便に血が混じる場合などは、医療機関の受診をすすめてください。
急性腹症(虫垂炎、腸閉塞、腹膜炎等)の可能性があるためです。
【胃腸鎮痛鎮痙薬の使用上の注意(まとめ)】
痛みの原因が明確でない場合 ……
安易な使用は避けます。
血尿を伴う側腹部の痛み ……
腎臓や尿路の結石、ある種の胃腸疾患の可能性があり、受診が必要です。
下痢に伴う腹痛 ……
基本的に下痢への対処が優先され、胃腸鎮痛鎮痙薬の適用対象ではありません。
抗コリン成分 ……
排尿困難、緑内障、心臓病への注意。
3日以上続けて使用しない ……
症状が続く場合は受診を促します。
出典:登録販売者試験 令和2年度(福岡県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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