翼端失速の防止策(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。…

航空工学 第5問

翼端失速の防止策(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。(a)翼のテーパーを弱くして、矩形翼に近づける。(b)後退角を与える。(c)翼端にねじり下げをつける。(d)翼の根元にストール・ストリップを取り付ける。

正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(a)(c)(d)の3つです。 【翼端失速がなぜ危険なのか】 翼端には補助翼(エルロン)があります。翼端から先に失速すると、 補助翼が効かなくなる  ↓ 左右どちらかが先に失速すれば急な傾きが生じる  ↓ 立て直せずにスピンへ入る 失速そのものより、制御を失うことが危険です。そこで、翼は根元から先に失速するように設計します。 【(a)正しい ―― テーパーを弱くする】 テーパー翼(先細り翼)では、翼端の翼弦が短く、そこでの揚力係数が高くなりがちです。
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テーパーを弱めて矩形翼に近づければ、翼端の負担が減り、翼端失速が起きにくくなります。 【(c)正しい ―― ねじり下げ】 翼端の取付角を根元より小さくしておく設計をねじり下げ(ウォッシュアウト)といいます。 同じ姿勢でも、翼端の迎角が小さい  → 翼端のほうが失速に達するのが遅い 最も一般的で確実な対策です。 【(d)正しい ―― ストール・ストリップ】 翼の根元の前縁に取り付ける小さな三角形の突起です。 根元の気流を意図的に乱す  → 根元から先に剥離が始まる  → 翼端はまだ揚力を保っている 「先に壊れてほしいところを、わざと弱くする」という発想です。取り付け位置が根元である点が要点で、翼端に付けたら逆効果になります。 【(b)が誤り ―― 後退角はむしろ原因】 後退角を与えると、翼面上の気流が翼端方向へ流れる性質(スパン方向の流れ)が生じます。 境界層が翼端に向かって厚く溜まる  → 翼端の気流が剥離しやすくなる  → 翼端失速を起こしやすい 後退角は高速性能のために採用されるもので、翼端失速の対策ではありません。むしろ、後退翼機には別途この対策が必要になります。 【後退翼機での対策】 翼端のねじり下げ ボーテックス・ジェネレーター ウイング・フェンス(翼上面の仕切り板) ドッグ・トゥース(前縁の段差) いずれも、翼端方向への流れを止めるか、境界層を活性化するための工夫です。後退翼の写真を見るとき、これらを探すと理解が深まります。

出典:令和2年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問5(国土交通省 公表)出典元ページ

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