高濃度氷晶による着氷(Ice Crystal Icing)に関する記述で誤りはどれか。…
航空気象 第13問
高濃度氷晶による着氷(Ice Crystal Icing)に関する記述で誤りはどれか。
- (1)飛行中の冷たい機体表面に強い着氷を起こす。
- (2)エンジンに流入すると一部がエンジン・コンプレッサーに付着し堆積する。
- (3)エンジン内で氷晶が急激に昇華することにより異常燃焼となり推力低下やフレームアウトに至る場合もある。
- (4)活発な積乱雲に伴う強い対流現象近傍の着氷域よりも高い高度において遭遇することがある。
正答 (1)
正答は (1)。氷晶は機体表面に着氷しません。
【高濃度氷晶による着氷(Ice Crystal Icing)】
これはエンジン内部で起こる現象です。機体表面の着氷とはまったく別のものです。
【なぜ機体表面には付かないのか】
氷晶はすでに凍った固体です。
過冷却水滴 …… 液体。機体に当たると広がって凍る
氷晶 …… 固体。機体に当たると跳ね返る
冷たい機体表面に当たっても、くっつく仕組みがありません。だから翼や風防には積もらないのです。
外を見ても氷は付いていない
→ 操縦士は着氷の危険に気づきにくい
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この「見えなさ」が、氷晶着氷の厄介なところです。
【(2)(3)正しい ―― エンジン内部で何が起こるか】
氷晶がエンジンに流入する
↓
圧縮機の暖まった部分に当たる
↓
一部が融けて水になる
↓
その水が他の氷晶をくっつける
↓
コンプレッサーに付着し堆積する
堆積した氷が一気に剥がれて燃焼室へ入ると、
氷晶が急激に昇華する
→ 燃焼室の温度と空気の流れが乱れる
→ 異常燃焼
→ 推力低下やフレームアウト(燃焼停止)
【(4)正しい ―― 遭遇する高度】
活発な積乱雲に伴う強い対流現象の近傍で、通常の着氷域よりも高い高度において遭遇することがあります。
通常の着氷域 …… 0℃から−20℃くらい。過冷却水滴の層
氷晶の層 …… もっと上。−40℃前後でも起こる
積乱雲の上部から風下へ流された氷晶が、雲のように見えない状態で広がっていることがあります。
【気づきにくい理由をまとめる】
機体表面に氷が付かない → 目で見てもわからない
氷晶はレーダーに映りにくい → 機上レーダーでも
わからない
高度が高い → 「ここは着氷しない高度」と思い込む
三つが重なって、遭遇していることに気づかないままエンジン異常が起こります。
【対処】
積乱雲の風下側を大きく迂回する
エンジンの防氷装置を作動させる
推力を安定させる
レーダーに映る強いエコーの風下には、映らない氷晶が広がっている可能性があります。エコーの縁ぎりぎりを通らないことが基本です。
出典:令和4年7月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問13(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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