気圧高度:37,000ft、SAT:-55℃の大気中を、MACH0.8で飛行中の航空機のRAT(RAM AIR TEMP…
空中航法 第2問
気圧高度:37,000ft、SAT:-55℃の大気中を、MACH0.8で飛行中の航空機のRAT(RAM AIR TEMPERATURE)に最も近いものはどれか。
- (1)-20℃
- (2)-23℃
- (3)-53℃
- (4)-55℃
正答 (2)
正答は (2)。−23℃が最も近い値です。
【RATとは】
RAT(RAM AIR TEMPERATURE)は、高速で飛行する機体の温度計が実際に感じ取る温度です。空気が温度センサーの部分で断熱的に圧縮されて減速するため、外気温(SAT)より高い値になります。
この上昇分をラム上昇(ram rise)と呼びます。
【ラム上昇の大きさ】
絶対温度で表すと、
RAT(K) = SAT(K)×(1 + 0.2 × M²)
SAT = −55℃ = 218K
M = 0.8 → M² = 0.64
解説の続きをみる続きを閉じる
0.2 × 0.64 = 0.128
ラム上昇 = 218 × 0.128 ≒ 28℃
RAT ≒ −55 + 28 ≒ −27℃
選択肢のうちこれに最も近いのは−23℃です。
【選択肢の切り分け】
(3)−53℃・(4)−55℃ラム上昇をほぼ無視した値です。M0.8での上昇は30℃前後にもなりますから、明らかに小さすぎます。
(1)−20℃上昇を35℃とみたことになり、大きすぎます。
(2)−23℃上昇32℃。計算値に最も近い値です。
【この問題で問われていること】
細かい数値そのものより、M0.8で飛べば温度計は30℃前後高く出るという感覚が問われています。
M0.5 …… ラム上昇 約11℃
M0.8 …… ラム上昇 約28℃
M0.9 …… ラム上昇 約35℃
M²に比例するので、速度が上がると急に効いてきます。
【実務上の意味】
機上の温度計はRATを示しますから、気象通報と比べるときや着氷を判断するときは、ここからSATを逆算する必要があります。
SAT = RAT(K)÷(1 + 0.2M²)
外気温が0℃を下回っていても、機体表面ではラム上昇によって0℃を超えている場合があり、着氷の判断に影響します。
出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 空中航法 問2(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
この問題はほかの試験・回でも出ています
「空中航法」のほかの問題
- 平成31年3月期 第2問日本時間の13時30分に航空機がA空港をTC:080度で出発し、900nm先のB空港に向
- 令和元年7月期 第12問待機方式について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選
- 令和2年7月期 第2問空港進入前に入手したQNH29.91inHgに対し、誤って30.21inHgの値を気圧高
- 令和3年3月期 第11問RNAV経路について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中か
- 令和3年7月期 第20問TOD(降下開始点)で正しいものはどれか。
- 令和4年7月期 第9問最低気象条件について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中か
スポンサーリンク

