図は一般的な断熱図に、ある大気の状態曲線ABを示したものである。この大気の安定度で正しいものはどれか。…

航空気象 第4問

図は一般的な断熱図に、ある大気の状態曲線ABを示したものである。この大気の安定度で正しいものはどれか。

運航管理者 令和5年3月期 第4問の図
正答 (4)
正答は (4)。大気が飽和していなければ安定です。 【安定度は三つの傾きの比べ合わせ】 断熱図の上で比べるのは、次の三本の傾きです。 状態曲線 …… 実際の大気の気温の鉛直分布 乾燥断熱線 …… 飽和していない空気塊が上昇するときの          気温低下(約10℃/km) 湿潤断熱線 …… 飽和した空気塊が上昇するときの          気温低下(約5℃/km) 湿潤断熱線のほうが気温減率が小さい(気温が下がりにくい)のは、凝結によって潜熱が放出されるためです。
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【三つの場合分け】 状態曲線の気温減率が湿潤断熱線より小さい   → 絶対安定(飽和していてもいなくても安定) 状態曲線の気温減率が乾燥断熱線より大きい   → 絶対不安定(どちらでも不安定) 状態曲線の気温減率がその中間   → 条件付不安定 横軸に気温、縦軸に高度をとった図では、気温減率の小さい湿潤断熱線のほうが立って(鉛直に近く)、乾燥断熱線のほうが寝て見えます。 【条件付不安定とは】 状態曲線が湿潤断熱線と乾燥断熱線の間にあるとき、 飽和していなければ → 安定 飽和していれば  → 不安定 となります。この問題の状態曲線ABはこの範囲にあります。 【なぜそうなるのか】 持ち上げられた空気塊が、周囲より暖かければさらに上昇します(不安定)。冷たければ元に戻ります(安定)。 飽和していない空気塊   → 乾燥断熱線に沿って速く冷える   → 周囲より冷たくなる → 戻る(安定) 飽和した空気塊   → 湿潤断熱線に沿ってゆっくり冷える   → 周囲より暖かくなる → 上がり続ける(不安定) 同じ大気でも、空気塊が湿っているかどうかで結果が逆になります。これが「条件付」と呼ばれる理由です。 【(3)が成り立たない理由】 「飽和していれば安定」という状態は存在しません。湿潤断熱線のほうが乾燥断熱線より気温減率が小さいため、飽和したほうが必ず不安定寄りになるからです。 飽和が安定をもたらすことはない、と覚えてください。 【実際の大気での意味】 日本の夏の大気は、たいてい条件付不安定です。 朝 …… 湿っていても飽和していない → 安定 日中 …… 加熱と湿りで飽和に達する → 不安定      → 積乱雲が立ち、夕立や雷雨になる 条件付不安定は「引き金があれば荒れる大気」です。山の斜面や前線による持ち上げがその引き金になります。

出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問4(国土交通省 公表)出典元ページ

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