大気の熱力学に関する記述(a)~(d)の正誤の組み合わせで正しいものはどれか。…
航空気象 第3問
大気の熱力学に関する記述(a)~(d)の正誤の組み合わせで正しいものはどれか。(a)水蒸気を含まない空気塊が断熱的に上昇するとき、空気塊の温位は一定である。(b)水蒸気を含む空気塊の温位は、その空気塊の相当温位より高くなることはない。(c)水蒸気を含む空気塊では、気温と露点温度の差が小さいほど相対湿度が高い。(d)水を蒸発させ水蒸気にするのに必要な潜熱は、氷から直接水蒸気にするのに必要な潜熱よりも大きい。
- (1)(a): 正 (b): 誤 (c): 誤 (d): 誤
- (2)(a): 正 (b): 正 (c): 正 (d): 誤
- (3)(a): 誤 (b): 正 (c): 誤 (d): 正
- (4)(a): 誤 (b): 誤 (c): 正 (d): 正
正答 (2)
正答は (2)。(a)正、(b)正、(c)正、(d)誤です。
【(a)温位は乾燥断熱過程で保存される】
温位とは、空気塊を1,000hPaまで乾燥断熱的に移したときの温度です。水蒸気を含まない空気塊が断熱的に上下するかぎり、温位は変わりません。
温度そのものは上昇すれば下がりますが、温位は一定に保たれる――この性質があるので、温位は気塊を追跡する目印に使えます。
【(b)相当温位は温位以上になる】
相当温位は、空気塊に含まれる水蒸気をすべて凝結させ、そのとき放出される潜熱で暖めたうえで求めた温位です。潜熱の分だけ上乗せされるので、
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相当温位 ≧ 温位
が常に成り立ちます。水蒸気がゼロなら両者は一致します。したがって「温位が相当温位より高くなることはない」は正しい記述です。
【(c)気温と露点の差が小さいほど湿度が高い】
露点温度は、その空気が飽和する温度です。気温が露点に近いほど飽和に近い、すなわち相対湿度が高いことになります。
気温 = 露点 → 相対湿度100%(飽和)
【(d)が誤り ―― 昇華の潜熱のほうが大きい】
水 → 水蒸気(蒸発) …… 約2,500 kJ/kg
氷 → 水蒸気(昇華) …… 約2,834 kJ/kg
氷から直接水蒸気にするには、いったん融解してから蒸発させる分のエネルギーが要ります。つまり
昇華の潜熱 = 融解の潜熱 + 蒸発の潜熱
ですから、昇華のほうが必ず大きくなります。記述(d)は大小が逆です。
【段を飛ばす分だけ多く要る】
氷から水蒸気へ「一段飛ばし」で行くのだから楽になりそうに思えますが、通る道筋が違っても始点と終点が同じなら必要なエネルギーは同じです。融解の分だけ上乗せされる、と考えれば間違えません。
出典:令和5年7月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問3(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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