エックス線被ばくによる造血器官及び血液に対する影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第33問
エックス線被ばくによる造血器官及び血液に対する影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)人が全身にLD₅₀/₆₀に相当する線量を被ばくしたときの主な死因は、造血器官の障害である。
- (2)造血器官である骨髄のうち、脊椎の中にあり、造血幹細胞の分裂頻度が極めて高いものは脊髄である。
- (3)末梢血液中の血球数の減少は、被ばく量が1Gy程度までは認められない。
- (4)末梢血液中の血球のうち、被ばく後減少が現れるのが最も遅いものは血小板である。
- (5)末梢血液中の赤血球の減少は貧血を招き、血小板の減少は感染に対する抵抗力を弱める原因となる。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
半致死線量(LD₅₀/₆₀)は、被ばくした人の半数が60日以内に死亡する線量で、およそ3から4グレイです。この線量域で亡くなる主な原因は、骨髄の障害、つまり造血器官がやられることです。
【線量による死因の移り変わり】
3〜5グレイ 骨髄死(造血器官の障害)
10グレイ前後 腸死(腸の粘膜の障害)
20グレイ以上 中枢神経死
線量が上がるにつれ、死因は骨髄から腸、神経へと移ります。半致死線量は最も低い域なので、骨髄です。
【ほかの選択肢】
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(2) 脊椎の中にあって造血幹細胞の分裂頻度が高いのは
骨髄。脊髄は神経で、造血には関わらない
(3) 末梢血液中の血球数の減少は、0.25グレイ程度から
認められる。1グレイまで認められないのではない
(4) 減少が現れるのが最も遅いのは赤血球。
血小板ではない
(5) 赤血球の減少が貧血を招くのは正しいが、感染に対する
抵抗力を弱めるのは白血球の減少。血小板の減少は出血しやすくなる
【(2)の言葉のすり替え】
骨髄 骨の中にあって血液を作る
脊髄 背骨の中を通る神経
読みが同じで字が違うので、入れ替えてもすぐには気づきません。造血の話に「脊髄」が出てきたら誤りです。
【(4)の順番は寿命で決まる】
リンパ球 最も早く減る(数時間から数日)
白血球(好中球) 次に減る
血小板 寿命およそ10日
赤血球 寿命およそ120日 → 最も遅い
骨髄で新しい血球が作られなくなっても、すでに流れている血球はそれぞれの寿命が尽きるまで残ります。寿命の長い赤血球が、いちばん最後に減ります。
【三つの血球の役目】
赤血球 酸素を運ぶ → 減ると貧血
白血球 細菌と戦う → 減ると感染しやすい
血小板 血を止める → 減ると出血しやすい
(5)は、白血球と血小板の役目を入れ替えたものです。
出典:エックス線作業主任者 2024年上半期実施分(2024年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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