工業用エックス線装置のエックス線管及びエックス線の発生に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の管理に関する知識 第1問
工業用エックス線装置のエックス線管及びエックス線の発生に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)エックス線管の管電流は、陰極から陽極に向かって流れる。
- (2)陰極のフィラメント端子間の電圧は、フィラメント加熱用の降圧変圧器を用いて10~20V程度にされている。
- (3)陽極のターゲットにタングステンが多く用いられる主な理由は、熱伝導率が高く、加工しやすいことである。
- (4)陽極のターゲット上のエックス線が発生する部分を実効焦点といい、これをエックス線束の利用方向から見たものを実焦点という。
- (5)陽極のターゲットに衝突する直前の電子の運動エネルギーは、管電圧の2乗に比例する。
正答 (2)
正答は (2)。これが正しい記述です。
陰極のフィラメント端子間の電圧は、フィラメント加熱用の降圧変圧器を用いて10~20V程度にされています。
【なぜ低い電圧なのか】
フィラメントは、熱電子を出すために加熱するだけ
電球のフィラメントと同じで、電流を流して熱くします。高い電圧は要りません。管電圧(数十~数百kV)とはまったく別の系統です。
管電圧 陰極と陽極の間 → 数十~数百kV(昇圧)
フィラメント電圧 陰極の両端 → 10~20V(降圧)
【ほかの選択肢】
(1) エックス線管の管電流は、陽極から陰極に向かって流れる
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(3) タングステンを用いる主な理由は、融点が高く、原子番号が
大きいこと。加工しやすいからではない
(4) 実焦点と実効焦点が入れ替わっている
(5) 運動エネルギーは、管電圧に比例する(2乗ではない)
【電流の向き】
電子は 陰極 → 陽極
電流は 陽極 → 陰極
電流の向きは、電子の流れと逆に定められています。電気の決まりごとであって、エックス線管に限った話ではありません。この約束を知っていれば、(1)が誤りと分かります。
【タングステンを使うわけ】
融点が高い(約3400℃) → 電子の衝突による高温に耐える
原子番号が大きい(74) → エックス線の発生効率が高い
電子の運動エネルギーの99%以上は熱に変わります。それでも溶けない金属でなければ務まりません。加工のしやすさは、むしろタングステンの苦手なところです。
【実焦点と実効焦点】
実焦点 ターゲット上でエックス線が発生する領域
実効焦点 それをエックス線束の利用方向から見たもの
ターゲットは軸に対して斜めになっているので、実効焦点のほうが小さく見えます。焦点が小さいほど、鮮明な透過写真が撮れます。
【運動エネルギー】
eV(電気素量 × 管電圧)
管電圧100kVなら100keVです。比例の関係です。2乗で効くのは全強度のほうです。
出典:エックス線作業主任者 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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