放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の測定に関する知識 第28問
放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)半導体検出器において、放射線が半導体中で1個の電子・正孔対を作るのに必要な平均エネルギーをε値といい、シリコン結晶の場合は、約3.6eVである。
- (2)GM計数管の動作特性曲線において、印加電圧を上げても計数率がほとんど変わらない範囲をプラトーといい、プラトー領域の印加電圧では、入射エックス線による一次電離量に比例した大きさの出力パルスが得られる。
- (3)気体に放射線を照射したとき、1個のイオン対を作るのに必要な平均エネルギーをW値といい、気体の種類にあまり依存せず、放射線のエネルギーに応じてほぼ一定の値をとる。
- (4)GM計数管が入射放射線により一度放電し、一時的に検出能力が失われた後、出力波高値が弁別レベルまで回復する時間を回復時間という。
- (5)放射線測定器の指針が安定せず、ゆらぐ現象をフェーディングという。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
半導体検出器において、放射線が半導体中で1個の電子・正孔対を作るのに必要な平均エネルギーをε値といい、シリコン結晶の場合は約3.6eVです。
【ε値とW値】
ε値 半導体で電子・正孔対を作るエネルギー
シリコン 約3.6eV
W値 気体でイオン対を作るエネルギー
空気 約34eV
→ 半導体のほうが約10分の1
同じエネルギーの放射線から、約10倍多くの電荷が生まれます。数が多いほど統計的なばらつきが相対的に小さくなるので、エネルギー分解能が高くなります。
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【ほかの選択肢】
(2) プラトー領域では、一次電離量に比例しない。入射放射線の
種類やエネルギーによらず、同じ大きさのパルスが出る
(3) W値は気体の種類によって決まり、放射線のエネルギーには
あまり依存しない → 記述が逆
(4) 記述の内容は分解時間の説明。回復時間は、出力波高値が
元の波高値まで回復する時間
(5) フェーディングは、蓄えられた情報が時間とともに失われる
現象 → 指針のゆらぎではない
【三つの時間の区別】
不感時間 放電後、まったく検出できない時間
分解時間 出力波高値が弁別レベルまで回復する時間
回復時間 出力波高値が元の大きさまで回復する時間
→ 不感時間 < 分解時間 < 回復時間
数え落としの補正に使うのは分解時間です。(4)は分解時間の定義に「回復時間」という名を付けています。
【プラトー】
GM計数管の動作特性曲線で、印加電圧を上げても計数率がほとんど
変わらない範囲
この部分の記述は正しいのですが、続く説明が誤りです。GM計数管では電子なだれが管全体に広がるので、もとの電離が多かろうと少なかろうと、出てくるパルスは同じ大きさです。
一次電離量に比例するのは、比例計数管のほうです。
【W値の性質】
気体の種類による 空気34eV、アルゴン26eVなど
放射線のエネルギーにはよらない
(3)は、この二つを入れ替えています。
【フェーディング】
TLDや蛍光ガラス線量計で、時間がたつと読み値が減る
出典:エックス線作業主任者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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