次式に示す電圧e [V]及び電流i [A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選…

理論 第9問

次式に示す電圧e [V]及び電流i [A]による電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。e=100 sin ωt+50 sin(3ωt-π/6) [V]i=20 sin(ωt-π/6)+10√3 sin(3ωt+π/6) [A]

正答 (2)
正答は (2)。 【与えられた波形】 電圧と電流は、基本波と第3調波を重ね合わせたものです。  e = 100 sin ωt + 50 sin(3ωt - 円周率÷6) [V]i = 20 sin(ωt - 円周率÷6)+ 10 × (3の平方根) × sin(3ωt + 円周率÷6) [A] 【ひずみ波の電力の考え方】 ひずみ波の平均電力は、周波数が同じ成分どうしの組だけが値を持ち、周波数の異なる成分の組は、1周期にわたって平均するとゼロになります。したがって、各次数ごとに電力を求めて足し合わせればよいことになります。
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 P = E1 × I1 × cosθ1 + E3 × I3 × cosθ3 ここでE、I は実効値、θ はその次数における電圧と電流の位相差です。最大値のまま計算するなら  P = (Em × Im ÷ 2) × cosθ という形を使っても同じです。 【基本波の電力】 電圧の位相は0、電流の位相は マイナス円周率÷6(マイナス30度)なので、位相差は30度です。  P1 = (100 × 20 ÷ 2) × cos30度    = 1000 × 0.8660    = 866.0 [W] 実効値で確かめると  E1 = 100 ÷ (2の平方根) = 70.71 [V]  I1 = 20 ÷ (2の平方根) = 14.14 [A]  P1 = 70.71 × 14.14 × 0.8660 = 866.0 [W] 同じ値になります。 【第3調波の電力】 電圧の位相は マイナス円周率÷6(マイナス30度)、電流の位相は プラス円周率÷6(プラス30度)なので、位相差は60度です。  P3 = (50 × 10 × (3の平方根) ÷ 2) × cos60度    = (50 × 17.32 ÷ 2) × 0.5    = 433.0 × 0.5    = 216.5 [W] 【合計】  P = 866.0 + 216.5    = 1082.5 [W]    = 1.08 [kW] 最も近いのは 1.08 ですから、(2) が正答です。 【間違えやすい点】 一つ目は、基本波と第3調波を掛け合わせた項を足してしまうことです。周波数の異なる正弦波の積は、1周期の平均がゼロになるので、電力には寄与しません。二つ目は、位相差の取り方です。電圧の位相から電流の位相を引いた角度が位相差で、本問の第3調波では  (マイナス30度) - (プラス30度) = マイナス60度 となり、余弦は符号によらないので cos60度 = 0.5 を使います。三つ目は、最大値と実効値の取り違えです。最大値のまま掛けるなら2で割る、という対応を忘れないでください。

出典:令和5年度下期第三種電気主任技術者 理論科目 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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