電動機ではずみ車を加速して,運動エネルギーを蓄えることを考える。まず,加速するための電動機のトルクを考える。加速途中の電…
機械 第11問
電動機ではずみ車を加速して,運動エネルギーを蓄えることを考える。まず,加速するための電動機のトルクを考える。加速途中の電動機の回転速度をN[min⁻¹]とすると,そのときの毎秒の回転速度n[s⁻¹]は①式で表される。[ア]················································· ①この回転速度n[s⁻¹]から②式で角速度ω[rad/s]を求めることができる。[イ]················································ ②このときの電動機が1 秒間にする仕事,すなわち出力をP[W]とすると,トルクT[N・m]は③式となる。[ウ]················································ ③③式のトルクによってはずみ車を加速する。電動機が出力し続けて加速している間,この分のエネルギーがはずみ車に注入される。電動機に直結するはずみ車の慣性モーメントをI[kg・m²]として,加速が完了したときの電動機の角速度をω₀ [rad/s]とすると,このはずみ車に蓄えられている運動エネルギーE[J]は④式となる。[エ]················································ ④上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
正答 (5)
正答は (5)。
【空白(ア) 毎秒の回転速度】
毎分の回転速度N を毎秒に直すには、60 で割ります。
n = N ÷ 60 [毎秒]
分を秒に直すのですから割り算です。60 を掛けてしまうと1分間にN回ではなく1秒間にN回という、まったく別の量になってしまいます。
【空白(イ) 角速度】
1回転は 2 × 円周率 ラジアンですから、毎秒n 回転する物体の角速度は
ω = 2 × 円周率 × n [ラジアン毎秒]
です。(ア)と合わせると
ω = 2 × 円周率 × N ÷ 60
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という、よく使う形になります。
【空白(ウ) トルク】
出力(仕事率)P とトルクT、角速度ω の関係は
P = T × ω
ですから、トルクについて解くと
T = P ÷ ω
となります。この関係は、直線運動における仕事率 = 力 × 速度 に対応するもので、回転運動では力がトルクに、速度が角速度に置き換わったものです。問題文が「電動機が1秒間にする仕事、すなわち出力をP とすると」と書いているのを受けて、P をω で割る形になります。
【空白(エ) 運動エネルギー】
慣性モーメントI の物体が角速度ω0 で回転しているときの運動エネルギーは
E = (1 ÷ 2) × I × (ω0 の2乗)
です。直線運動の運動エネルギー
E = (1 ÷ 2) × m × (v の2乗)
において、質量m が慣性モーメントI に、速度v が角速度ω に置き換わった形になっています。角速度の2乗に比例するので、はずみ車の回転を2倍にすれば蓄えられるエネルギーは4倍になります。
【結論】
n = N ÷ 60、ω = 2 × 円周率 × n、T = P ÷ ω、E = (1 ÷ 2) × I × (ω0 の2乗)、この組合せをもつ (5) が正答です。
【数値で確かめてみる】
たとえば、慣性モーメント2kg・m の2乗 のはずみ車を毎分3000 まで加速したとします。
n = 3000 ÷ 60 = 50 [毎秒]
ω0 = 2 × 3.1416 × 50 = 314.2 [ラジアン毎秒]
E = 0.5 × 2 × 314.2 の2乗
= 98700 [J]
また、このとき電動機の出力が5kW であれば、そのトルクは
T = 5000 ÷ 314.2 = 15.9 [N・m]
となります。四つの式のつながりを、実際の数値で確かめておくとよいでしょう。
出典:令和5年度下期第三種電気主任技術者 機械科目 問11(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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