バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ(FET)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一…
理論 第11問
バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ(FET)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)バイポーラトランジスタは,消費電力がFET より大きい。
- (2)バイポーラトランジスタは,静電気に対してFET より破壊されにくい。
- (3)バイポーラトランジスタの入力インピーダンスは,FET のそれよりも低い。
- (4)バイポーラトランジスタは電圧制御素子,FET は電流制御素子といわれる。
- (5)バイポーラトランジスタのコレクタ電流は自由電子及び正孔の両方が関与し,FET のドレーン電流は自由電子又は正孔のどちらかが関与する。
正答 (4)
正答は (4)。
【誤りの選択肢 (4)】
「バイポーラトランジスタは電圧制御素子、電界効果トランジスタは電流制御素子」が誤りです。二つが入れ替わっています。正しくは、バイポーラトランジスタが電流制御素子、電界効果トランジスタが電圧制御素子です。バイポーラトランジスタでは、ベースに電流を流し込むことでコレクタ電流が決まります。
コレクタ電流 = 電流増幅率 × ベース電流
一方、電界効果トランジスタでは、ゲートに電圧を加えてチャネルの太さを変えることでドレーン電流を制御します。ゲートは絶縁されている(あるいは逆バイアスされている)ので、定常的なゲート電流はほとんど流れません。「電流を流して制御するか、電圧を加えて制御するか」という違いが、そのまま入力インピーダンスや消費電力の違いにつながります。
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【正しい選択肢の確認】
(1) バイポーラトランジスタは制御のためにベース電流を流し続ける必要があるので、
その分だけ消費電力が大きくなります。電界効果トランジスタは、電圧を保つだけでよく、定常状態でゲートに電流が流れないので消費電力が小さくて済みます。正しい記述です。
(2) 電界効果トランジスタ、とくに絶縁ゲート形のものは、
ゲートの絶縁膜が非常に薄いため、静電気による高い電圧がかかると絶縁膜が破れて壊れてしまいます。バイポーラトランジスタにはそのような薄い絶縁膜がないので、静電気には比較的強いといえます。正しい記述です。
(3) バイポーラトランジスタの入力端子であるベースは、
順方向にバイアスされたピー・エヌ接合ですから、入力インピーダンスは低くなります。電界効果トランジスタのゲートは絶縁されているか逆バイアスなので、入力インピーダンスはきわめて高くなります。正しい記述です。
(5) バイポーラという言葉は「二つの極」という意味で、
自由電子と正孔の両方のキャリアが電流に関与することを表します。これに対し、電界効果トランジスタはユニポーラ素子と呼ばれ、エヌチャネル形なら自由電子、ピーチャネル形なら正孔と、どちらか一方だけが電流を運びます。正しい記述です。
【まとめ】
バイポーラトランジスタ 電流制御、キャリアは2種類、
入力インピーダンスが低い、静電気に強い
電界効果トランジスタ 電圧制御、キャリアは1種類、
入力インピーダンスが高い、静電気に弱い
出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者 理論科目 問11(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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