潜水墜落又は吹き上げに関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第8問
潜水墜落又は吹き上げに関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)潜水墜落は、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より低くなったときに起こる。
- (2)潜水墜落では、一たび浮力が減少して沈降が始まると、水圧が増して浮力が更に減少するという悪循環を繰り返す。
- (3)ヘルメット式潜水では、ヘルメットの重量が大きいため、潜水者が頭部を胴体より下にする姿勢をとり、逆立ちの状態になってしまったときに潜水墜落を起こすことがある。
- (4)ヘルメット式潜水では、潜水者に常に大量の空気が送気されており、排気弁の操作を誤ると吹き上げを起こすことがある。
- (5)吹き上げ時の対応を誤ると、潜水墜落を起こすことがある。
正答 (3)
正答は (3)。これが誤りです。
逆立ちの姿勢が招くのは、潜水墜落ではなく吹き上げです。
ヘルメット式では、ヘルメットと潜水服の中に空気が入っています。空気は上へ動くので、頭を下にすると空気が足のほうへ移動します。すると足側の潜水服がふくらんで浮力が増し、足から先に浮き上がります。しかも排気弁はヘルメット、つまり一番下になった位置にあるため、空気を抜くことができません。
こうして制御を失ったまま浮上してしまうのが吹き上げです。急浮上は減圧症や肺の過膨張につながります。
選択肢は「ヘルメットの重量が大きいため」という理由まで添えていますが、重いから沈む、という単純な話ではありません。問題になるのは空気がどちらへ移動するかです。
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(4)について補足します。ヘルメット式は定量送気式で、常に大量の空気が送られ続けています。余った空気は排気弁から出し続ける必要があり、この操作を誤るとスーツがふくらんで吹き上げになります。自動で調節されないからこその危険です。
潜水墜落と吹き上げ ─ 原因を取り違えさせる出題が多い
潜水墜落(スクィーズ)
起きる条件 潜水服内部の圧力が水圧より「低く」なったとき
悪循環 浮力が減る → 沈む → 水圧が増す → さらに浮力が減る
主な原因 不適切なウエイトの装備/急激な潜降/
さがり綱を使わない/吹き上げ時の処理の失敗/
逆止弁の故障(送気が絶たれて内部の空気が吸い出される)
吹き上げ(ブローアップ)
起きる条件 潜水服内部の圧力が水圧より「高く」なったとき
主な原因 排気弁の操作ミス/潜水服のベルトの締付け不足/
頭部を胴体より下にする逆立ち姿勢
(空気が足側にたまって一気に浮き上がる)
取り違えやすい2つ
逆立ち姿勢 → 吹き上げ(潜水墜落ではない)
ベルトの締付け不足 → 吹き上げ(潜水墜落ではない)
どちらも相互に転じます。吹き上げの処理を誤れば潜水墜落になり、潜水墜落の処理を誤れば吹き上げになります。片方向だけと書いてあれば誤りです。
出典:潜水業務における事故の一般的な機序
出典:潜水士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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