放射線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識 第3問
放射線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)シンチレータとして用いられるヨウ化ナトリウム結晶は、微量のタリウムを含有させて活性化されている。
- (2)シンチレータに放射線が入射すると、可視領域の減衰時間の短い光が放射される。
- (3)シンチレータから放射された光は、光電子増倍管の光電面で光電子に変換され、増倍された後、電流パルスとして出力される。
- (4)光電子増倍管から得られる出力パルス波高は、入射した放射線の線量率に比例する。
- (5)光電子増倍管の増倍率は、印加電圧に依存するので、光電子増倍管に印加する高圧電源を安定化させる必要がある。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
光電子増倍管から得られる出力パルスの波高は、入射した放射線のエネルギーに比例します。「線量率」ではありません。
【波高とエネルギー】
入射エネルギーが大きい → シンチレータの発光量が多い
→ 光電子が多い → 波高が高い
だから波高を調べれば、入射した放射線のエネルギーが分かります。これが波高分析(エネルギー分析)の原理です。
【線量率は何に表れるか】
単位時間あたりのパルスの数(計数率)
波高は一発の大きさ、計数率は数。線量率が上がれば数が増えるのであって、一発一発が大きくなるのではありません。大きさと数を取り違えないことです。
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【ほかの選択肢】
(1) シンチレータとして用いられるヨウ化ナトリウム結晶は、微量の
タリウムを含有させて活性化されている 正しい
(2) シンチレータに放射線が入射すると、可視領域の減衰時間の
短い光が放射される 正しい
(3) シンチレータから放射された光は、光電子増倍管の光電面で
光電子に変換され、増倍された後、電流パルスとして出力される
正しい
(5) 光電子増倍管の増倍率は印加電圧に依存するので、高圧電源を
安定化させる必要がある 正しい
【タリウムの役目】
発光波長を、光電子増倍管が感じやすい約420nmに調整する
発光量を増やす
活性剤と呼ばれます。微量加えるだけで、性能が大きく変わります。
【減衰時間が短いことの値打ち】
一発光ってから消えるまでが速い
次の放射線が来ても、前の光と重ならずに数えられます。
【高圧電源を安定化させるわけ】
増倍率が印加電圧で変わる
電圧が揺らげば、同じエネルギーでも波高が変わってしまいます。
出典:ガンマ線透過写真撮影作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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