荷重に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。…
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 第39問
荷重に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
- (1)移動式クレーンのフックには、主に圧縮荷重がかかる。
- (2)片振り荷重は、大きさは同じであるが、向きが時間とともに変わる荷重である。
- (3)移動式クレーンの巻上げドラムには、曲げ荷重とねじり荷重がかかる。
- (4)荷重が繰返し作用すると、比較的小さな荷重であっても機械や構造物が破壊することがあるが、このような現象を引き起こす荷重を静荷重という。
- (5)荷を巻き下げているときに急制動すると、玉掛け用ワイヤロープには、圧縮荷重とせん断荷重がかかる。
正答 (3)
正答は (3)。これが適切な記述です。
巻上げドラムに曲げ荷重とねじり荷重がかかる理由は、その役割から分かります。
ドラムはワイヤロープを巻き取る円筒で、軸で支えられています。ロープを巻き取るときはドラムを回転させるので、軸まわりにねじる力が働きます。これがねじり荷重です。
同時に、巻き取られたロープが荷の重さでドラムを引っ張ります。両端で支えられた軸の途中に力がかかる形になるので、たわませる方向の力、つまり曲げ荷重が加わります。
「回すからねじり、引かれるから曲げ」と押さえておけば、他の部材についても同じ考え方で判断できます。
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他の選択肢の誤りは次のとおりです。
(1) フックには曲げ荷重と引張荷重がかかります
(2) 片振り荷重は「向きが同じで大きさが変わる」ものです
(4) 繰返し作用して疲労破壊を起こすのは動荷重(繰返し荷重)です。静荷重は時間とともに変化しない荷重なので、繰返し作用しません
(5) 急制動で玉掛け用ワイヤロープにかかるのは衝撃荷重です。ロープは引っ張られる部材であって、圧縮やせん断は受けません
荷重の分類と、部材ごとにかかる荷重
【かかり方による分類】
引張荷重 棒を長手方向に引き伸ばすように働く
圧縮荷重 押し縮めるように働く
せん断荷重 断面に沿ってずらすように働く(はさみで切るときの力)
→ 「長手方向に引き伸ばす」と書いてあれば引張荷重。せん断ではない
曲げ荷重 曲げるように働く
ねじり荷重 ねじるように働く
【時間変化による分類】
静荷重 時間とともに変化しない
動荷重 時間とともに変化する。次の2つを含む
繰返し荷重
片振り荷重 向きは同じで「大きさ」が変わる
両振り荷重 向きも大きさも変わる(引張と圧縮が交互にかかる)
衝撃荷重 瞬間的に大きくかかる
→ 片振りと両振りの説明を入れ替える出題が多い。
「大きさは同じで向きが変わる」という記述は、どちらの定義でもない
→ 繰返し荷重で小さな力でも壊れる現象が疲労。
これを起こすのは動荷重であって静荷重ではない
【移動式クレーンの部材】
フック 曲げ荷重と引張荷重 …「主に圧縮荷重」は誤り
巻上げ用ワイヤロープ(シーブを通る)
引張荷重と曲げ荷重 …圧縮やせん断ではない
巻上げドラム 曲げ荷重とねじり荷重
玉掛け用ワイヤロープ
引張荷重。急制動や急な巻上げでは衝撃荷重が加わる
出典:材料力学における荷重の分類
出典:移動式クレーン運転士 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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