物体に働く摩擦力に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。…
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 第36問
物体に働く摩擦力に関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)水平な床面で静止している物体には、その物体を床面に沿って引っ張るなどして力を加えなければ、静止摩擦力は働かない。
- (2)静止摩擦係数をμ、物体の接触面に作用する垂直力をNとすれば、最大静止摩擦力Fは、F=μ/Nで求められる。
- (3)物体が他の物体に接触しながら運動しているときに働く摩擦力を、運動摩擦力という。
- (4)円柱状の物体を動かす場合に生じる転がり摩擦力は、滑り摩擦力に比べると小さい。
- (5)物体に働く運動摩擦力は、最大静止摩擦力より小さい。
正答 (2)
正答は (2)。これが適切でない記述です。式が違います。
最大静止摩擦力は F = μ / N ではなく、F = μ × N です。掛け算であって割り算ではありません。
意味から考えれば向きが分かります。Nは物体を面に押しつける力です。重いものほど強く押しつけられ、動かすのに大きな力が要ります。つまりNが大きいほど摩擦力も大きくなるので、掛け算でなければつじつまが合いません。割り算では、重いものほど動かしやすいことになってしまいます。
(1)について補足します。力を加えていない物体には静止摩擦力は働きません。摩擦力は動かそうとする力に「抵抗する」形で現れるものなので、抵抗すべき相手がいなければ生じません。
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(3)(4)(5)も適切な記述です。
摩擦力
静止摩擦力 接触面に沿う力が働いているが、まだ静止しているときの摩擦力。
力を加えなければ静止摩擦力は働かない
最大静止摩擦力 動き出す直前の最大値。F = μ × N
(μは静止摩擦係数、Nは接触面に作用する垂直力)
→ 垂直力Nに「比例」する。Nで割るのではない
運動摩擦力 動いているときに働く摩擦力。最大静止摩擦力より「小さい」
垂直力に比例し、接触面積には関係しない
転がり摩擦力 滑り摩擦力より「小さい」
→ 重い物をころ(丸太やパイプ)に乗せて動かすのは、
転がり摩擦のほうが小さいからです。
「大きい」と書いてあれば誤り
動き出すときが一番重く、動き出せば軽くなる。
この体感が「最大静止摩擦力 > 運動摩擦力」の関係そのものです
出典:摩擦に関する基本法則
出典:移動式クレーン運転士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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