28 歳の女性。右側舌縁部の接触痛を主訴として再来院した。3 年前に同様の症状があり、生検と7 6舌側咬頭の削合を行った…
D問題 第63問
28 歳の女性。右側舌縁部の接触痛を主訴として再来院した。3 年前に同様の症状があり、生検と7 6舌側咬頭の削合を行った。その後、痛みが消失したため通院が途絶えていたが、1 年前から再び同部に疼痛を自覚しているという。初診時の口腔内写真(別冊No. 18A)、生検時(矢印)のH-E 染色病理組織像(別冊No. 18B)、再来院時の口腔内写真(別冊No. 18C)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 18D)を別に示す。初診時と再来院時の診断名の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。
- (1)乳頭腫 扁平上皮癌
- (2)白板症 褥瘡性潰瘍
- (3)褥瘡性潰瘍 扁平上皮癌
- (4)口腔扁平苔癬 カンジダ性口内炎
- (5)カンジダ性口内炎 白板症
正答 (3)
正答は (3)。初診時は褥瘡性潰瘍、再来院時は扁平上皮癌です。
【見るところ】
初診時(別冊No. 18A)は、右側の舌縁の、下顎大臼歯の舌側咬頭が当たる位置に、小さな潰瘍(矢印)があります。その生検像(別冊No. 18B)では、重層扁平上皮が途切れて欠損し、その部分は好中球・リンパ球などの炎症細胞と毛細血管に富む肉芽組織で置き換わっています。上皮に異型はありません。
再来院時(別冊No. 18C)は、同じ部位の舌縁に、周りが盛り上がった潰瘍性の病変がみられます。その生検像(別冊No. 18D)では、核の大小不同・核の濃染を示す異型の扁平上皮細胞が、胞巣をつくって結合組織の中へ浸潤しています。
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初診時は、歯の咬頭による慢性の機械的刺激で生じた褥瘡性潰瘍で、咬頭の削合で治りました。再来院時は扁平上皮癌です。褥瘡性潰瘍は原因を除けば2週間ほどで治るのがふつうで、治らない、あるいは同じ部位に再発する潰瘍は、癌を疑って生検します。若い人でも舌縁は口腔癌の好発部位です。
【ほかの選択肢】
(1) 乳頭腫 扁平上皮癌 初診時の組織像は乳頭状の上皮の増殖ではなく、上皮の欠損と肉芽組織 誤り
(2) 白板症 褥瘡性潰瘍 初診時に上皮の肥厚・角化はなく、再来院時の組織像は浸潤癌 誤り
(4) 口腔扁平苔癬 カンジダ性口内炎 レース状の白斑や、上皮直下の帯状のリンパ球浸潤はなく、再来院時は浸潤癌 誤り
(5) カンジダ性口内炎 白板症 どちらの組織像にも合わない 誤り
出典:2024年(令和6年) 歯科医師国家試験 問63(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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