4 歳8 か月の女児。結膜炎で自宅近くの診療所を受診し、右眼の外上斜視を指摘され紹介受診となった。初診時視力は右1.0(…
午後 第75問
4 歳8 か月の女児。結膜炎で自宅近くの診療所を受診し、右眼の外上斜視を指摘され紹介受診となった。初診時視力は右1.0(1.2×+1.75D)、左0.9(1.2×+2.00D)で、間欠性の外上斜視がみられ、大型弱視鏡検査での水平眼位の融像域は-8° ~+16° である。頭位の写真(別冊No. 12A)と9 方向むき眼位の写真(別冊No. 12B)を別に示す。この患者にみられるのはどれか。
- (1)A 型斜視
- (2)陰性γ角
- (3)潜伏眼振
- (4)右眼の内方回旋
- (5)Bielschowsky 頭部傾斜試験陽性
正答 (5)
正答は (5)。この患者では Bielschowsky 頭部傾斜試験が陽性になります。
写真Aでは、頭を左の肩の方へ傾けています。写真Bの9方向むき眼位では、右眼が内転する左方視(写真の右側の列)で、右眼が左眼より上にずれ、とくに左上方視・左方視で右眼の上転が強く出ています(右下斜筋の過動)と読めます。右眼の外上斜視、左への頭部傾斜、右眼の内転位での上転の過剰は、右の上斜筋麻痺(先天上斜筋麻痺)の典型です。上斜筋麻痺では、麻痺眼側(右)へ頭を傾けると上斜視が大きくなる、Bielschowsky 頭部傾斜試験の陽性がみられます。大型弱視鏡の水平の融像域(-8°〜+16°)が保たれていて両眼視の機能が良いことも、間欠性の外上斜視に合います(先天上斜筋麻痺では、上下の融像幅が大きいことも手がかりになります)。
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【ほかの選択肢】
(1) A 型斜視 誤り
上斜筋は下方視で外転を助けるので、麻痺すると下方視で外転が弱まり、下方視で内よりになる V 型をとりやすくなります。A 型ではありません。
(2) 陰性γ角 誤り
γ角は眼の光学的な軸と固視線のなす角で、陰性γ角は偽内斜視に見える原因になりますが、上斜筋麻痺とは関係しません。
(3) 潜伏眼振 誤り
片眼を覆うと現れる眼振で、乳児内斜視や交代性上斜位に伴うことが多いものです。
(4) 右眼の内方回旋 誤り
上斜筋は内方回旋に働くので、麻痺すると右眼は外方回旋します。
【先天上斜筋麻痺の特徴】
麻痺眼の上斜視、反対側への頭部傾斜(顔面の非対称を伴うことも)、麻痺眼の下斜筋の過動、Bielschowsky 頭部傾斜試験の陽性。
出典:2024年(令和6年) 視能訓練士国家試験 問75(厚生労働省 公表)出典元ページ
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