ヒト免疫不全ウイルス(HIV)訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
医薬品に共通する特性と基本的な知識 第18問
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a HIV訴訟とは、血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。b HIV訴訟を契機に、医薬品副作用被害救済制度が創設された。c HIV訴訟の和解を踏まえ、製薬企業に対し、医薬品の副作用報告が初めて義務付けられた。d HIV訴訟を契機に、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度が創設された。
- (1)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (2)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
- (3)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 正
- (5)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
正答 (5)
正答は (5)。(a)(d)が正しく、(b)(c)が誤りです。
【(a)正しい ―― 訴訟の内容】
HIV訴訟とは、血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟です。1989年に大阪地裁、東京地裁で国および製薬企業を被告として提訴され、1996年3月に両地裁で和解が成立しました。
【(b)が誤り ―― 救済制度の契機が違います】
医薬品副作用被害救済制度は、サリドマイド訴訟とスモン訴訟を契機として1979年に創設されたものです。HIV訴訟を契機としたものではありません。なお、生物由来製品による感染等被害救済制度は、CJD訴訟の和解を受け、2002年の薬事法改正に伴って創設されたものです。
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【(c)が誤り ―― 副作用報告の義務化の時期が違います】
製薬企業に対する医薬品の副作用報告は、HIV訴訟の和解より前から行われており、「初めて義務付けられた」わけではありません。HIV訴訟の和解を踏まえて1996年に成立した改正薬事法で義務づけられたのは、製薬企業に対する、従来の副作用報告に加えた感染症報告です。なお、医師や薬剤師等の医薬関係者による副作用等の報告が法的に義務化されたのは2002年7月の薬事法改正です(登録販売者は、2006年6月の薬事法改正による登録販売者制度の導入に伴い、報告を行う医薬関係者に位置づけられました)。これらを混同させる出題です。
【(d)正しい ―― 緊急輸入制度】
HIV訴訟を契機に、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立しました。必要な医薬品が国内で手に入らないために被害が拡大したことへの反省から設けられた仕組みです。
【HIV訴訟を契機とした他の施策】
「誓いの碑」の建立 ……
薬害の防止に関する誓いを銘記したもの
血液製剤の安全確保対策 ……
検査や献血時の問診の充実
エイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備
治療薬の早期提供
薬事行政組織の再編、情報公開、健康危機管理体制の確立
製薬企業に対する感染症報告の義務づけ(1996年の改正薬事法)
【関連する用語の整理】
サリドマイド訴訟・スモン訴訟 → 医薬品副作用被害救済制度(1979年)
CJD訴訟 → 生物由来製品による感染等被害救済制度(2002年の薬事法改正に伴い創設)
この対応関係を押さえておけば、多くの設問に答えられます。
出典:登録販売者試験 令和5年度(愛媛県 公表問題)出典元ページ
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