痛みや発熱が起こる仕組み及び解熱鎮痛薬の働きに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。…
主な医薬品とその作用 第64問
痛みや発熱が起こる仕組み及び解熱鎮痛薬の働きに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。ア プロスタグランジンは、病気や外傷があるときに活発に産生されるようになり、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。イ プロスタグランジンが脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して、体温を通常より低く維持するように調節する。ウ 解熱鎮痛成分によりプロスタグランジンの産生が抑制されると、逆に肝臓での炎症が起こりやすくなる可能性がある。エ プロスタグランジンの作用が解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が低下するとともに胃壁の血流量が増加して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。
- (1)ア: 正 イ: 正 ウ: 誤 エ: 正
- (2)ア: 正 イ: 誤 ウ: 正 エ: 正
- (3)ア: 正 イ: 誤 ウ: 正 エ: 誤
- (4)ア: 誤 イ: 正 ウ: 正 エ: 誤
- (5)ア: 誤 イ: 誤 ウ: 誤 エ: 誤
正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(ア)と(ウ)です。
【プロスタグランジンの働き】
プロスタグランジンは、病気や外傷があるときに活発に産生される物質で、体内でさまざまな働きをしています。
痛み …… 痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅します。
発熱 …… 体温調節の設定を上げます。
炎症 …… 炎症の発生に関与します。
胃 …… 胃酸分泌を調節し、胃壁の血流量を保護的に増やします。
腎臓 …… 血流量を保つ働きがあります。
解熱鎮痛成分は、このプロスタグランジンの産生を抑えることで熱と痛みを鎮めますが、同時に胃や腎臓への保護的な働きも弱めてしまう、というのが副作用の仕組みです。
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【(ア)正しい ―― 痛みのシグナルを増幅する】
上のとおりです。プロスタグランジンそのものが痛みを起こすというより、痛みを感じやすくする(増幅する)物質だと理解してください。
【(イ)が誤り ―― 「低く」ではなく「高く」】
プロスタグランジンは、脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して、体温を通常より高く維持するように調節します。だからこそ、その産生を抑える解熱鎮痛成分が「解熱」に働くのです。
筋道で考える …… 熱が出るのは、体温の設定値が上げられているからです。
設定値を上げているのがプロスタグランジン。
それを抑えれば設定値が戻って熱が下がる。
「低く維持する」では、解熱薬が熱を下げる理由が説明できません。
【(ウ)正しい ―― 肝臓での炎症】
解熱鎮痛成分によりプロスタグランジンの産生が抑制されると、肝臓での炎症を起こしやすくなる可能性があります。
実際の注意 …… 解熱鎮痛薬では、肝臓病の診断を受けた人は相談することとされています。とくにアセトアミノフェンでは、定められた用量を超えた使用や、アルコールとの併用で重篤な肝障害を生じるおそれがあります。
アルコールの影響 …… 酒類をよく摂取する人では、肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、肝障害を生じやすくなります。
解熱鎮痛薬の服用時に飲酒を避けるよう助言してください。
【(エ)が誤り ―― 胃酸分泌と血流量の向きが逆】
正しくは、プロスタグランジンの作用が妨げられると、胃酸分泌が増加するとともに、胃壁の血流量が低下して、胃粘膜障害を起こしやすくなります。設問は、増加と低下をそっくり入れ替えています。
攻めと守りで考える …… 胃にとって、胃酸は「攻める側」、血流は「守る側」です。
攻めが強まり、守りが弱まるから胃が荒れる、と考えれば向きを間違えません。
実際の対応 …… 解熱鎮痛薬は空腹時を避けて服用します。
また、胃腸障害を軽減する目的で制酸成分が配合されていることがあります。
出典:登録販売者試験 令和元年度(福岡県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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