クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
医薬品に共通する特性と基本的な知識 第20問
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a ウシ乾燥硬膜の原料が、プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、この製品が脳外科手術で移植された患者にCJDが発生した。b CJD訴訟等を契機として、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。c CJDは、ウイルスの一種であるプリオンが脳の組織に感染することによって発症する。d CJDの症状としては、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れる。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (2)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (3)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (4)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 正
- (5)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 誤
正答 (2)
正答は (2)。組み合わせは a 誤、b 正、c 誤、d 誤 です。
クロイツフェルト・ヤコブ病は、覚えるべき点が3つに絞られます。原料は何か、病原体は何か、症状は何か、です。この設問はその3つすべてを問うています。
【(a)が誤り ―― 原料はウシではなくヒト】
問題になったのはヒト乾燥硬膜です。脳外科手術の際に、脳を覆う硬膜の代わりとして移植する材料として用いられていました。その原料が、プリオンを不活化するための十分な化学的処理が行われないまま製品として流通し、移植を受けた患者にクロイツフェルト・ヤコブ病が発生しました。
解説の続きをみる続きを閉じる
「ウシ」と書かれているのは、いわゆる牛海綿状脳症との混同を誘う仕掛けです。医薬品の薬害として問われているのはヒト由来の乾燥硬膜ですので、ここを取り違えないでください。
【(b)正しい ―― 生物由来製品による救済制度】
この訴訟などを契機として、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品感染等被害救済制度が創設されました。あわせて、2002年の薬事法改正により、生物由来製品の安全対策の強化も図られています。
第5章で学ぶ2つの救済制度は、次のように対応させて覚えます。
医薬品副作用被害救済制度 …… サリドマイド訴訟、スモン訴訟が契機
生物由来製品感染等被害救済制度 …… クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟が契機
【(c)が誤り ―― プリオンはウイルスではない】
プリオンは細菌でもウイルスでもなく、タンパク質の一種です。このタンパク質が正常なものとは異なる形に変化し、脳の組織に蓄積して神経細胞を壊していくことで発症します。
病原体がタンパク質であるため、通常の消毒や加熱では不活化されにくく、これが十分な処理を難しくしていました。「ウイルスの一種であるプリオン」という表現は誤りです。
【(d)が誤り ―― 書かれているのはスモンの症状】
クロイツフェルト・ヤコブ病の症状は、次第に認知症に類似した症状が現れ、死に至る重篤な神経難病です。
問題文にある「初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れる」は、スモン(亜急性脊髄視神経症)の症状です。薬害訴訟の設問では、この2つの症状の入れ替えが定番の引っかけになっていますので、セットで覚えておきましょう。
出典:登録販売者試験 令和5年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。解説は愛知県の見解ではありません。内容について、愛知県へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「医薬品に共通する特性と基本的な知識」のほかの問題
- 令和6年度 第20問HIV(ヒト免疫不全ウイルス)訴訟及びCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)訴訟に関する記
- 令和7年度 第6問医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 令和7年度 第12問プラセボ効果(偽薬効果)に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- 令和7年度 第18問クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及びCJD訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み
- 令和6年度 第4問セルフメディケーションに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 令和6年度 第10問医薬品と他の医薬品や食品との相互作用に関する記述のうち、正しいものはどれか。
スポンサーリンク

