耐空性審査要領に定められている強度の定義で誤りはどれか。…
航空工学 第8問
耐空性審査要領に定められている強度の定義で誤りはどれか。
- (1)荷重倍数とは、航空機に働く荷重と航空機重量の比をいう。
- (2)安全率とは、常用運用状態において予想される荷重より大きな荷重の生ずる可能性並びに材料及び設計上の不確実性に備えて用いる設計係数をいう。
- (3)制限荷重とは、常用運用状態において予想される最大の荷重をいう。
- (4)終極荷重とは、航空機の主構造部材が破壊される荷重をいう。
正答 (4)
正答は (4)。終極荷重は破壊される荷重ではありません。
【終極荷重の正しい定義】
終極荷重 = 制限荷重 × 安全率
安全率は通常1.5とされているので、
終極荷重 = 制限荷重 × 1.5
です。これは「この荷重までは破壊しないこと」が求められる値であって、「ここで壊れる荷重」ではありません。
【三つの荷重の関係】
制限荷重
常用運用状態において予想される最大の荷重。
ここまでは永久変形を生じないこと。
終極荷重
制限荷重 × 安全率(1.5)。
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変形してもよいが、3秒間は破壊しないこと。
破壊荷重
実際に壊れる荷重。終極荷重よりさらに上。
【なぜ二段構えなのか】
制限荷重まで …… 何度でも遭遇しうる → 変形も許さない
終極荷重まで …… ごくまれにしか起きない
→ 変形はやむを得ないが壊れない
日常的に受ける荷重と、一生に一度あるかないかの荷重とで、求める水準を分けているわけです。
【(1)は正しい ―― 荷重倍数】
荷重倍数 = 航空機に働く荷重 ÷ 航空機重量
水平直線飛行では1です。旋回や引き起こしで増えます。
【(2)は正しい ―― 安全率の意味】
安全率は、
予想より大きな荷重が生じる可能性
材料のばらつき
設計上の不確実性
に備えて用いる設計係数です。「壊れるまでの余裕」ではなくわからないことへの備えである点が要点です。
【(3)は正しい ―― 制限荷重】
常用運用状態において予想される最大の荷重です。飛行規程に記された運用限界は、この制限荷重に基づいて定められています。
【運用上の意味】
制限荷重を超えた → 機体の点検が必要
(壊れていなくても、永久変形の可能性がある)
激しい乱気流に遭遇した後に点検を行うのは、制限荷重を超えた可能性があるためです。「飛べているから大丈夫」という判断はできません。
出典:平成31年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問8(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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