耐空性審査要領で定義する「標準大気」で誤りはどれか。…
航空工学 第1問
耐空性審査要領で定義する「標準大気」で誤りはどれか。
- (1)空気が乾燥した完全ガスであること。
- (2)海面上における温度が10℃(50°F)であること。
- (3)海面上における気圧が、水銀柱760mm(29.92in)であること。
- (4)海面上から温度が-56.5℃(-69.7°F)になるまでの温度の勾配は、-0.0065℃/m(-0.003566°F/ft)であり、それ以上の高度では零であること。
正答 (2)
正答は (2)。海面上の温度は15℃(59°F)です。
【標準大気の定義】
空気は乾燥した完全ガスであること
海面上の温度 15℃(59°F)
海面上の気圧 水銀柱760mm(29.92inHg)
(1013.25hPa)
温度勾配 −0.0065℃/m(−0.003566°F/ft)
海面上から−56.5℃になるまで。
それ以上の高度では零
(2)は「10℃」としており、誤りです。
【15℃という数値の位置づけ】
標準大気は、航空機の性能を共通のものさしで比べるために決められた仮想の大気です。実際の大気がこのとおりである必要はありません。
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この日は標準より暖かい → 性能が落ちる
この日は標準より冷たい → 性能が上がる
という比較の基準点として使います。15℃という値は、中緯度の年平均気温に近い値として選ばれたものです。
【温度勾配の二つの表し方】
−0.0065℃/m = −6.5℃/km
−0.003566°F/ft = 約−2℃/1,000ft
単位が違うだけで同じ勾配です。実務では「1,000ftにつき2℃」が使いやすい形です。
【−56.5℃で止まる意味】
地表から温度が下がり続け、−56.5℃に達したところで勾配が零になります。
−56.5℃になる高度 ≒ 36,089ft(約11km)
これが標準大気における対流圏界面です。それより上では温度が一定(−56.5℃)として扱います。
15 − 2 × 36 = 15 − 72 = −57
1,000ftあたり2℃で36,000ft上がれば72℃下がる、という簡単な計算で確かめられます。
【巡航高度との関係】
ジェット機の巡航高度である30,000〜40,000ftは、ちょうどこの圏界面をまたぐあたりです。
標準大気では、36,089ft以上ではどれだけ上がっても気温は−56.5℃のまま。高高度の気温を見積もるとき、この頭打ちを忘れないでください。
出典:令和2年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問1(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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