重心位置が前方過ぎる場合の影響で誤りはどれか。…

航空工学 第2問

重心位置が前方過ぎる場合の影響で誤りはどれか。

正答 (3)
正答は (3)。重心が前方すぎると燃料消費は増加します。 【なぜ燃料消費が増えるのか】 重心が前方にあると、機首を下げようとするモーメントが大きくなります。これを打ち消すため、水平尾翼はより強い下向きの力を出さなければなりません。 尾翼の下向きの力が増える  ↓ その分、主翼は余分に揚力を出す必要がある  ↓ 誘導抗力が増える  ↓ 燃料消費が増える 尾翼が下向きに押さえつけるぶん、主翼が持ち上げる重さが実質的に増えるわけです。 【(1)は正しい ―― 前輪への負荷】
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重心が前方にあれば、前輪にかかる荷重が増えます。地上滑走中の操向が重くなり、前脚の負担も増します。 【(2)は正しい ―― 離陸距離が長くなる】 機首上げ(ローテーション)は、水平尾翼の力で機首を持ち上げる操作です。 重心が前方にあるほど、この操作に必要な力が大きくなり、機首が上がり始める速度が高くなります。その結果、離陸距離が長くなります。 【(4)は正しい ―― 出力を絞ると機首下げ】 エンジンが翼の下にある機体では、出力を絞ると機首上げモーメントが減ります。 重心が前方にあれば、もともと機首下げ傾向が強いので、出力を絞ったときに機首下げの状態に入りやすくなります。 【前方重心と後方重心の比較】 前方重心   安定性 …… 高い(落ち着いているが鈍い)   操縦性 …… 低い(舵が重い)   失速速度 …… 高い   燃料消費 …… 多い 後方重心   安定性 …… 低い(敏感になりすぎる)   操縦性 …… 高い   失速速度 …… 低い   燃料消費 …… 少ない 【なぜ限界の範囲があるのか】 前方の限界 …… 機首上げができなくなる限界 後方の限界 …… 安定性が失われる限界 どちらの側にも危険があるため、重心位置は前後の限界の間に収めなければなりません。 燃料効率だけを見れば後方寄りが有利ですが、安定性を犠牲にはできません。実務では、限界の範囲内でやや後方寄りに積むのが効率の良い積み付けとされます。

出典:令和2年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問2(国土交通省 公表)出典元ページ

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