北半球の対流圏上層に現れるジェット気流について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ…

航空気象 第13問

北半球の対流圏上層に現れるジェット気流について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。(a)亜熱帯ジェット気流は、寒帯前線ジェット気流に比べて時間的・空間的に大きく変動する。(b)冬季の日本付近は、定常的に気圧の谷が存在し南北の温度傾度が大きく、ジェット気流が著しく強まりやすいところである。(c)気象衛星画像にみられるトランスバースライン(気流の方向にほぼ直角な走向で並ぶ波状の上層雲で構成される雲列)は、ジェット気流に沿って出現し強風軸の低緯度側に位置することが多い。(d)ジェット気流近傍では風の強い鉛直シヤーがあり、航空機運航の障害となる晴天乱気流がしばしば発生する。

正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(b)(c)(d)の3つです。 【(a)が誤り ―― 変動が大きいのは寒帯前線ジェット】 亜熱帯ジェット気流   位置 …… 緯度30度付近   高度 …… 約12〜13km(200hPa付近)   性格 …… 比較的安定。位置の変動が小さい 寒帯前線ジェット気流   位置 …… 緯度40〜60度付近   高度 …… 約9〜10km(300hPa付近)   性格 …… 変動が大きい。蛇行し、日々動く 設問は二つを入れ替えています。 【なぜ寒帯前線ジェットのほうが動くのか】
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寒帯前線ジェットは、寒帯前線の上にできます。前線そのものが南北に動き、波打つので、ジェットもそれに従って大きく動きます。 亜熱帯ジェットは、ハドレー循環の北端という大規模で安定した構造に結びついているため、位置が比較的定まっています。 【(b)正しい ―― 冬季の日本付近】 冬季の日本付近は、定常的に気圧の谷が存在し、南北の温度傾度が大きくなります。 大陸の強い寒気 と 太平洋の暖気が接する  → 南北の温度差が世界でも有数の大きさになる  → ジェット気流が著しく強まる 冬の日本上空で風速200ktを超えることがあるのはこのためです。東向きの便が短時間で飛べるのも、西向きの便が長くかかるのも同じ理由です。 【(c)正しい ―― トランスバースライン】 トランスバースラインは、気流の方向にほぼ直角な走向で並ぶ波状の上層雲の列です。 ジェット気流に沿って出現する 強風軸の低緯度側(南側)に位置することが多い 気象衛星画像でこの雲列が見えたら、その少し北側に強風軸があると読めます。晴天乱気流の目印として使われます。 【(d)正しい ―― 晴天乱気流】 ジェット気流の近傍では、風速が急激に変化する強い鉛直シヤーがあります。 雲がないのに揺れる → 晴天乱気流(CAT) 雲がないため目視でもレーダーでも捉えられず、事前の予測が難しいのが厄介な点です。 【強風軸のどちら側が危ないか】 一般に、強風軸の低緯度側・上側で晴天乱気流が起こりやすいとされます。トランスバースラインが低緯度側に出るのも、この乱れた領域と対応しています。 【二つのジェットの覚え方】 亜熱帯 …… 低緯度・高高度・安定 寒帯前線 …… 高緯度・低高度・変動大 低緯度のほうが高いところを、高緯度のほうが低いところを流れている、という関係が押さえどころです。

出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問13(国土交通省 公表)出典元ページ

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