フラッタに関する説明で正しいものはどれか。…
航空工学 第10問
フラッタに関する説明で正しいものはどれか。
- (1)構造が原因で発生し、空気からエネルギーを与えられて次第に激しくなってくる自励振動である。
- (2)高速飛行中に舵面を操作すると舵面上に衝撃波が発生して気流がはがれ圧力が低下して、操作した側と反対の側へ引っ張られる。するとキャンバがつくため、いままでと逆の側に衝撃波が発生してまた元の側へ舵面が引っ張られ、舵面が振動を起こすようになる。
- (3)空気力による弾性変形によって生ずる現象である。
- (4)高速飛行中に操縦桿(輪)を操作して機体を傾けようとしたとき、操縦士が思ったほど機体が傾かなかったり、極端な場合は逆の方へ傾く現象である。
正答 (1)
正答は (1)。フラッタは自励振動です。
【フラッタとは】
構造の弾性と空気力が結びついて起こる振動で、
構造が原因で発生する
空気からエネルギーを与えられて次第に激しくなる
自励振動である
という性質を持ちます。
【自励振動の恐ろしさ】
外から周期的な力を加えられて揺れる振動(強制振動)と違い、自励振動は自分で振幅を大きくしていきます。
少し揺れる → 空気からエネルギーをもらう
→ もっと揺れる → さらにエネルギーをもらう
→ 数秒で構造が破壊される
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一度始まると自然には収まりません。速度を下げる以外に止める方法がないため、フラッタ速度を超えないことが設計と運用の絶対条件になります。
【防止策 ―― マス・バランス】
舵面の前縁側におもりを付け、重心をヒンジ線に近づける方法が一般的です。
重心がヒンジから離れていると、機体が揺れたときに舵面が慣性で遅れて動き、それが振動を増幅します。重心をヒンジ線上に寄せれば、この連鎖が断ち切れます。
【他の選択肢はそれぞれ別の現象】
(2) バズ高速飛行中、舵面上に衝撃波が発生して気流が剥離し、圧力が変化することで舵面が振動する現象。衝撃波が原因である点がフラッタと異なります。
(3) 空力弾性による変形(ダイバージェンス等)空気力による弾性変形そのものを指す説明で、振動の説明になっていません。
(4) エルロン・リバーサル高速で補助翼を操作したとき、翼がねじれてしまい、思ったほど傾かない、あるいは逆に傾く現象。
【区別のしかた】
フラッタ …… 振動が自己増幅する(構造が原因)
バズ …… 振動するが衝撃波が原因
リバーサル …… 振動ではなく、操舵の効きが逆転
ダイバージェンス …… 振動ではなく、変形が発散
「振動するか」「原因は構造か衝撃波か」の二点で分ければ、四つを取り違えません。
出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問10(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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