タービン・エンジン機の飛行高度が高くなった場合のエンジン出力への影響で正しいもはどれか。…
航空工学 第15問
タービン・エンジン機の飛行高度が高くなった場合のエンジン出力への影響で正しいもはどれか。
- (1)気圧の減少による影響が気温の低下による影響と等しいため出力は変化しない。
- (2)気圧の減少による影響の方が気温の低下による影響より小さいため出力は増加する。
- (3)気圧の減少による影響の方が気温の低下による影響より大きいため出力は減少する。
- (4)高度36,000ft以上では、気圧と気温が一定となるので出力は変化しない。
正答 (3)
正答は (3)。高度が上がると出力は減少します。
【高度が上がると何が起こるか】
気圧が下がる → 取り込める空気の量が減る
→ 燃やせる燃料も減る → 出力は減少
気温が下がる → 空気の密度が上がる
→ 出力は増加
二つの影響は逆向きに働きます。どちらが勝つかが問題です。
【気圧のほうが効く】
気圧は高度とともに指数関数的に下がります。
海面 …… 1013hPa
18,000ft …… 約500hPa(およそ半分)
36,000ft …… 約226hPa(およそ4分の1)
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一方、気温は1,000ftあたり2℃という一定の割合でしか下がりません。
海面 …… 15℃(288K)
36,000ft …… −56.5℃(217K) → 絶対温度で約25%減
気圧が4分の1になるのに対し、絶対温度は4分の3にしかならない。減り方の桁が違います。
したがって気圧の影響が勝ち、出力は減少します。
【(4)が誤り ―― 気圧は下がり続ける】
標準大気では、36,089ft以上で気温は−56.5℃で一定になります。しかし気圧は上がるほど下がり続けます。
気温 …… 一定になる
気圧 …… 下がり続ける
したがって出力は減少し続けます。「気圧と気温が一定」という前提そのものが誤りです。
【実務での現れ方】
高高度では最大推力が小さくなる
上昇率が高度とともに低下する
ある高度で上昇率がほぼ零になる = 上昇限度
離陸推力が高度と気温で変わるのも同じ理由です。標高の高い空港や気温の高い日には、使える推力が減り、離陸重量を制限しなければならないことがあります。
【逆に高高度が有利な面】
出力は落ちますが、空気が薄いぶん抗力も減るので、燃料効率は高高度のほうが良くなります。
推力 …… 高いほど不利
効率 …… 高いほど有利
上がれるだけ上がるのが燃費の面では最適で、どこまで上がれるかを決めているのが推力の減少です。
出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問15(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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