生物効果比(RBE)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第37問
生物効果比(RBE)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)RBEは、次の式で定義される。RBE=(ある反応を起こす基準放射線の吸収線量)/(同じ反応を起こす試験放射線の吸収線量)
- (2)RBEを求めるための基準となる放射線としては、⁶⁰Coのベータ線が用いられる。
- (3)エックス線は、そのエネルギーの高低にかかわらず、RBEが1より小さい。
- (4)ある生物効果についてのRBEの値は、同じ線質の放射線であれば、線量率、温度、酸素分圧などの照射条件が異なっても変わらない。
- (5)培養細胞の致死作用に関するRBEは、一般に、放射線の線エネルギー付与(LET)が高くなるにつれて増大し、最大値に達した後はほぼ一定の値となる。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい定義です。
【生物効果比(RBE)】
RBE = ある反応を起こす基準放射線の吸収線量
÷ 同じ反応を起こす試験放射線の吸収線量
→ 少ない線量で同じ効果が出る放射線ほど、RBEが大きい
分母が小さいほど値が大きくなります。「効きが強い放射線ほど大きい値」という直感に合います。
【ほかの選択肢】
(2) 基準となる放射線は、⁶⁰Coのガンマ線(又は200kV程度の
エックス線) → 「ベータ線」は誤り
(3) エックス線のRBEは、おおむね1。「1より小さい」とは
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いえない
(4) RBEは、線量率、温度、酸素分圧などの照射条件によって
変わる
(5) RBEは、100keV/µm付近で最大値に達した後、減少する
→ 「ほぼ一定の値となる」は誤り
【基準放射線がガンマ線なわけ】
比べる物差しは、扱いやすく、性質のよく分かったもの
⁶⁰Coのガンマ線は、エネルギーが一定(1.17と1.33MeV)で、広く使われています。ベータ線は物質によって飛程が変わり、基準には向きません。
【(5)の山の形】
LETが増える → RBEも増える
100keV/µm付近で最大
それを超えると、RBEは下がる
【なぜ100keV/µmで最大なのか】
DNAの二重らせんの幅(約2nm)に、ちょうど二つの傷を作る密度
両方の鎖を同時に切るのがいちばん効率よく、修復もされにくい。この密度が、ちょうど100keV/µm付近にあたります。
【なぜそれを超えると下がるのか】
エネルギーを渡しすぎて、むだになるから
細胞を殺すのに必要な以上のエネルギーを一つの細胞に置いていってしまい、余りが無駄になります。これを過剰殺傷(オーバーキル)といいます。
【(4)が誤りなわけ】
RBEは、ある条件でのある反応についての比
酸素があれば効きが強まり(酸素効果)、線量率が低ければ修復が進みます。条件を決めずに「この放射線のRBEは何」とはいえません。
【エックス線のRBEが1前後なわけ】
基準放射線とLETが近い(どちらも低LET放射線)
出典:エックス線作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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