放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
エックス線の測定に関する知識 第26問
放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)放射線計測において、測定しようとする放射線以外の、自然又は人工線源からの放射線を、バックグラウンド放射線という。
- (2)測定器の指針が安定せず、ゆらぐ現象をフェーディングという。
- (3)半導体検出器において、荷電粒子が半導体中で1個の電子・正孔対を作るのに必要なエネルギーをε値といい、シリコン結晶の場合は約3.6eVである。
- (4)放射線測定器によって一定時間放射線を測定したときの計数値のばらつき(分布)は、ポアソン分布となる。
- (5)出力パルスの計数を計測する放射線測定器を用いて低線量率の放射線を測定するときは、時定数を大きく設定して測定する。
正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。
測定器の指針が安定せずゆらぐ現象は、統計変動です。フェーディングは、線量計に記録された情報が時間とともに失われていく現象をいいます。
【統計変動】
放射線が飛んでくる時刻はばらばらで、1秒あたりの個数はそのつど違う
平均が同じでも、数えるたびに値が上下します。これが指針のゆらぎとして見えます。個数が多いほど、ばらつきの割合は小さくなります。
【フェーディング】
線量計に貯めた情報が、時間が経つにつれて薄れること
熱や光、湿度によって進みます。測ってから読み取るまでの間が長いほど、値は実際より小さく出ます。個人線量計を選ぶとき、フェーディングの小さいものが望まれるのはこのためです。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ほかの選択肢】
(1) 測定しようとする放射線以外の放射線を
バックグラウンド放射線という 正しい
(3) 1個の電子・正孔対を作るのに要するエネルギーを
イプシロン値といい、シリコンでは約3.6eV
正しい
(4) 計数値のばらつきはポアソン分布となる 正しい
(5) 低線量率の測定では、時定数を大きく設定する
正しい
【(4)と(5)は(2)とつながっている】
計数値がばらつくのは、放射線の到来がポアソン分布に従うため(統計変動)
ばらつきを抑えるには、時定数を大きくして長い時間の平均を取る
時定数を大きくすると指針の動きは滑らかになりますが、そのぶん値が落ち着くまで時間がかかります。低線量率ではもともと個数が少なくばらつきが大きいので、時間をかけてならします。
【イプシロン値とW値】
イプシロン値 半導体中で1個の電子・正孔対を作る
エネルギー。シリコンで約3.6eV
W値 気体中で1個のイオン対を作るエネルギー。
空気で約34eV
半導体のほうが10分の1ほどで済むので、同じエネルギーから10倍近い数の対ができます。これが半導体検出器の分解能が高い理由です。
出典:エックス線作業主任者 2024年上半期実施分(2024年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「エックス線の測定に関する知識」のほかの問題
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第26問被ばく線量を測定するための放射線測定器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第25問次のエックス線とその測定に用いるサーベイメータの組合せのうち、適切でないものはどれか。
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第23問エックス線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っ
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第21問放射線に関連した量とその単位の組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第29問エックス線の測定に用いるGM計数管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第27問放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
スポンサーリンク

