エックス線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
エックス線の測定に関する知識 第24問
エックス線の測定に用いるNaI(Tl)シンチレーション検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)シンチレータとして用いられるヨウ化ナトリウム結晶は、微量のタリウムを含有させて活性化されている。
- (2)シンチレータにエックス線が入射すると、可視領域の減衰時間の短い光が放射される。
- (3)シンチレータから放射された光は、光電子増倍管の光電面で光電子に変換され、増倍された後、電流パルスとして出力される。
- (4)光電子増倍管から得られる出力パルス波高は、入射エックス線の線量率に比例する。
- (5)光電子増倍管の増倍率は、印加電圧に依存するので、光電子増倍管に印加する高圧電源は安定化する必要がある。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
光電子増倍管から得られる出力パルス波高は、入射エックス線のエネルギーに比例します。線量率に比例するのではありません。
【波高と計数率の違い】
パルスの波高(高さ) → 入射エックス線のエネルギー
パルスの数(計数率) → 入射エックス線の線量率
→ 高さがエネルギー、数が量
一つ一つのパルスの高さは、その光子がどれだけのエネルギーを持っていたかを表します。線量率が高ければパルスの数が増えるのであって、一つ一つが高くなるわけではありません。
【なぜ波高がエネルギーを表すのか】
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エネルギーが高い光子が入射する
→ シンチレータで多くの光が出る
→ 光電面で多くの光電子ができる
→ 増倍されて大きな電流パルスになる
もとのエネルギーが大きいほど、出口の信号も大きいという関係が保たれています。だからエネルギー分析ができるのです。
【ほかの選択肢】
(1) シンチレータとして用いられるヨウ化ナトリウム結晶は、微量の
タリウムを含有させて活性化されている 正しい
(2) シンチレータにエックス線が入射すると、可視領域の減衰時間の
短い光が放射される 正しい
(3) 放射された光は、光電子増倍管の光電面で光電子に変換され、
増倍された後、電流パルスとして出力される 正しい
(5) 光電子増倍管の増倍率は印加電圧に依存するので、高圧電源は
安定化する必要がある 正しい
【(5)との読み比べ】
(5) 印加電圧が変わると増倍率が変わる
→ 波高が変わってしまうので、電源を安定化する
波高が大事な情報を運んでいるからこそ、それを乱すものを避けるのです。(5)は、波高がエネルギーの情報を持つことを前提とした記述です。
【タリウムの役目】
活性剤 → 発光波長の調整、発光量の増加
純粋なヨウ化ナトリウムでは、うまく光りません。不純物をわざと混ぜることで、光電面に合う波長(約410nm、青色)で強く光るようになります。
【減衰時間が短い意味】
一つ一つの入射を数えるには、すばやく光り、すばやく消える
必要があります。
出典:エックス線作業主任者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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