図のように、エックス線装置を用い、厚さ20mmの鋼板に管電圧100kVでエックス線を垂直に照射したとき、照射野の中心から…
エックス線の管理に関する知識 第7問
図のように、エックス線装置を用い、厚さ20mmの鋼板に管電圧100kVでエックス線を垂直に照射したとき、照射野の中心から2mの距離にある図のA点からD点における散乱線の空気カーマ率の大きさに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、鋼板からの散乱線以外の影響は考えないものとし、また、照射条件は一定とする。
- (1)A点における空気カーマ率は、鋼板を同じ厚さのアルミニウム板に替えると増加する。
- (2)A点における空気カーマ率は、鋼板の厚さを30mmに替えると減少する。
- (3)B点における空気カーマ率は、A点における空気カーマ率より大きい。
- (4)C点における空気カーマ率は、D点における空気カーマ率より大きい。
- (5)D点における空気カーマ率は、鋼板の厚さを10mmに替えると減少する。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
A点における空気カーマ率は、鋼板を同じ厚さのアルミニウム板に替えると増加します。
【なぜ増えるのか】
A点は150°の方向 → 後方散乱を受ける位置
アルミニウム(原子番号13)は鋼(鉄、原子番号26)より原子番号が小さい
→ 光電効果による吸収が少ない
→ そのぶんコンプトン散乱が起こりやすい
→ 散乱線が増える
原子番号が小さい物質は、吸収してしまわずに散らすのです。
【各点の位置】
A 150° 後方散乱
B 120° 後方散乱
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C 60° 前方散乱
D 30° 前方散乱
角度は、利用線束の進む向きからの角度です。
【散乱線の強さの傾向】
前方(角度が小さい)ほど強い
90°付近で最も弱い
後方(180°に近い)では再び増える
【ほかの選択肢】
(2) A点の空気カーマ率は、鋼板の厚さを30mmに替えると減少する
→ 誤り。後方散乱線は厚さとともに増え、やがて飽和する。
減ることはない
(3) B点(120°)の空気カーマ率は、A点(150°)より大きい
→ 誤り。後方側では、角度が大きいほど強い。A > B
(4) C点(60°)の空気カーマ率は、D点(30°)より大きい
→ 誤り。前方側では、角度が小さいほど強い。D > C
(5) D点(30°)の空気カーマ率は、鋼板の厚さを10mmに替えると
減少する
→ 誤り。薄くすれば透過線が増え、前方散乱も増える
【後方散乱が厚さで飽和するわけ】
深いところで散乱した線は、戻ってくる途中で吸収される
ある厚さを超えると、それ以上厚くしても戻ってくる量は変わりません。だから減りはしないのです。
【前方と後方の違い】
前方 透過してくる線束に近い → 厚さの影響を強く受ける
後方 表面近くで散乱したもの → 厚さの影響を受けにくい
出典:エックス線作業主任者 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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