放射線業務従事者の被ばく限度として、労働安全衛生関係法令上、誤っているものは次のうちどれか。…
関係法令 第12問
放射線業務従事者の被ばく限度として、労働安全衛生関係法令上、誤っているものは次のうちどれか。ただし、放射線業務従事者は、緊急作業には従事しないものとし、また、被ばく限度に関する経過措置の適用はないものとする。
- (1)放射線業務従事者が眼の水晶体に受ける等価線量の限度 …… 5年間につき100mSv及び1年間につき50mSv
- (2)妊娠と診断された女性の放射線業務従事者が腹部表面に受ける等価線量の限度 …… 妊娠と診断されたときから出産までの間につき2mSv
- (3)男性の放射線業務従事者が皮膚に受ける等価線量の限度 …… 1年間につき500mSv
- (4)男性の放射線業務従事者が受ける実効線量の限度 …… 5年間につき100mSv、かつ、1年間につき50mSv
- (5)女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び妊娠と診断されたものを除く。)が受ける実効線量の限度 …… 1か月間につき3mSv
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。
女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び妊娠と診断されたものを除く)が受ける実効線量の限度は、3か月間につき5mSvです。「1か月間につき3mSv」ではありません。
【被ばく限度のまとめ】
実効線量
男性等 5年間100mSv かつ 1年間50mSv
女性 3か月間5mSv(上に加えて)
等価線量
眼の水晶体 5年間100mSv かつ 1年間50mSv
皮膚 1年間500mSv
妊娠中の腹部表面 妊娠と診断されてから出産までに2mSv
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【なぜ女性だけ3か月なのか】
妊娠に気づく前の胎児を守るため
妊娠の初期は、本人も気づいていないことがあります。年単位で管理していては、その間に多く被ばくしてしまうおそれがあります。短い期間で区切ることで、そのおそれを抑えます。
【ほかの選択肢】
(1) 眼の水晶体の等価線量 5年間100mSv及び1年間50mSv
正しい
(2) 妊娠と診断された女性の腹部表面の等価線量 妊娠と診断された
ときから出産までの間につき2mSv 正しい
(3) 皮膚の等価線量 1年間500mSv 正しい
(4) 実効線量 5年間100mSv、かつ、1年間50mSv
正しい
【眼の水晶体の限度】
以前は1年間150mSvでしたが、5年間100mSv及び1年間50mSvに改められました。
水晶体は白内障という確定的影響を起こします。従来考えられていたよりも低い線量で起こることが分かったためです。
【皮膚が500mSvと高いわけ】
皮膚は入れ替わりが早く、回復しやすい
紅斑が出るしきい線量は約3Gy(3000mSv)で、他の組織より高めです。
【妊娠中の2mSv】
守る相手は胎児
胎児は分裂の盛んな細胞のかたまりで、放射線感受性が非常に高い。だから、けた違いに厳しい値になっています。
【5年間と1年間の二重の縛り】
5年で100mSv = 平均すると年20mSv
ただし、ある年に多く受けることもあるので、1年50mSvという上限も別に設けています。
出典:エックス線作業主任者 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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