ヒトが一時に全身にエックス線の照射を受けた場合の早期影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…

エックス線の生体に与える影響に関する知識 第38問

ヒトが一時に全身にエックス線の照射を受けた場合の早期影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。 5~10Gy程度の被ばくによる死亡は、主に造血器官(骨髄)の障害によるものです。中枢神経系の障害が主因になるのは、20Gy以上の被ばくです。 【急性放射線症候群の三つの型】 1~10Gy  造血器(骨髄)の障害   白血球・血小板の減少、感染、出血   死亡までの期間 30~60日程度 10~20Gy  消化管の障害   下痢、脱水、腸粘膜の脱落   死亡までの期間 5~20日程度 20Gy以上  中枢神経系の障害   けいれん、昏睡。数時間~数日で死亡
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弱いところから順にやられていきます。骨髄がいちばん弱く、次が消化管、いちばん強いのが神経系です。 【ほかの選択肢】 (1) 1~2Gy程度の被ばくで、放射線宿酔の症状が現れる   ことがある                  正しい (2) 被ばくから死亡までの期間は、一般に造血器官の障害による   場合のほうが、消化器官の障害による場合より長い                          正しい (3) LD₅₀/₆₀に相当する線量の被ばくでは、約半数のヒトが   60日以内に、主に造血器官の障害により死亡する                          正しい (4) 消化器官の障害を主因とする死亡までの期間は、5~20日   程度                    正しい 【(2)(3)(4)から(5)が導ける】 (3) LD₅₀/₆₀(約4Gy)で死ぬ主因は造血器官の障害 (4) 消化器官の障害による死亡は5~20日 (2) 造血器官のほうが期間が長い → 4Gy付近が造血器官の領域だと、(3)が示している 5~10Gyはその少し上です。消化管に移り始める手前であって、中枢神経系まで飛ぶことはありません。 【放射線宿酔】 全身被ばくの後、吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感が出る 船酔いに似ているので「宿酔(二日酔い)」と呼ばれます。1Gy程度から現れる、急性障害の前ぶれです。 【骨髄型の経過】 前駆期 被ばく直後。放射線宿酔 潜伏期 数週間。症状が消えて見える 発症期 血球が減りきって、感染や出血が起こる 回復期 助かれば、造血が戻る 潜伏期があって、いったん元気に見えるのが特徴です。線量が高いほど、潜伏期は短くなります。

出典:エックス線作業主任者 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ

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