薬物Aに感受性のある培養細胞を用いて、その細胞内の代謝調節タンパク質Bについて調べることにした。…
薬学理論問題(生物) 第114問
薬物Aに感受性のある培養細胞を用いて、その細胞内の代謝調節タンパク質Bについて調べることにした。操作の流れを図1 に示す。培地に薬物Aを添加して細胞を1 時間培養した後、培地を除去してから細胞を回収した。細胞を破砕し、低速度の遠心操作で核画分を分離回収した。さらに高速度の遠心操作で、核を除いた細胞の膜画分を分離回収した。また、対照として、培地に薬物Aを添加しなかった細胞についても同様の操作を行った。ドデシル硫酸ナトリウムを用いたポリアクリルアミド電気泳動(SDS︲PAGE)にて、核画分及び膜画分中のタンパク質を分離し、タンパク質Bに対するポリクローナル抗体を用いてウエスタンブロットを行った。SDS︲PAGE は、還元剤(2︲メルカプトエタノール)を添加した条件と添加しない条件の2 通りの方法で行ったところ、図2 に示す結果を得た。以上の実験とその結果から推測される記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)タンパク質Bは、核膜に局在するタンパク質である。
- (2)タンパク質Bは、分子間ジスルフィド結合を持つ。
- (3)タンパク質Bから生じた約30 kDa のタンパク質は、核内に移行する。
- (4)タンパク質Bは、薬物Aで刺激された細胞内で3 つに切断される。
- (5)タンパク質Bの分子量は、約50 kDa である。
正答 (2)(3)
正答は (2)と(3)。B は還元剤で約80 kDa と20 kDa に分かれるのでジスルフィド結合でつながった分子で、切られた約30 kDa の断片が核に移ります。
図2 を読みます。
薬物A なし(膜画分):非還元 100 kDa → 還元 約80 + 20 kDa
薬物A あり(膜画分):非還元 70 kDa → 還元 50 + 20 kDa
薬物A あり(核画分):非還元・還元とも 約30 kDa
B は膜にある約80 kDa と20 kDa の鎖がジスルフィド結合でつながった分子で、薬物A で約80 kDa の鎖が50 kDa と約30 kDa に切断されます。50 kDa の部分は20 kDa の鎖とつながったまま膜に残り(70 kDa)、約30 kDa の断片は核へ移ります。
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【ほかの選択肢】
(1) 薬物A がないとき B は膜画分にだけ見られ、核画分には無い。核膜に局在するとはいえない 誤り
(4) 切断されるのは約80 kDa の鎖の1か所で、50 kDa と約30 kDa の2つになる。20 kDa の鎖はもともと別の鎖 誤り
(5) 非還元の条件で B は約100 kDa 誤り
出典:第107回 薬剤師国家試験 問114(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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