プリオン病では、プリオンタンパク質(PrP)の感染性を有した異常型が蓄積する。プリオンタンパク質の特徴として、正常型であ…
薬学理論問題(生物) 第116問
プリオン病では、プリオンタンパク質(PrP)の感染性を有した異常型が蓄積する。プリオンタンパク質の特徴として、正常型であるPrPᶜ と異常型であるPrPSc が相互作用(会合)すると、正常型が異常型へと変換されることが知られている。図1 はNMR により解析されたPrPᶜ の立体構造、図2 はPrPSc の仮想の立体構造をそれぞれ安定な二次構造をわかりやすくリボン図で描いている。なお、図中には示されていないが、PrPᶜ のC 末端にはGPI アンカーが付加されている。図3 は、PrP の遺伝子配列から予想される翻訳産物をアミノ酸の一文字表記で示している。アミノ酸配列のうち、プロリン残基は黒点(●)で、グリシン残基は2 重下線で示している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。図31 MANLGCWMLVLFVATWSDLGLCKKRPKPGG 3031 WNTGGSRYPGQGSPGGNRYPPQGGGGWGQP 6061 HGGGWGQPHGGGWGQPHGGGWGQPHGGGWG 9091 QGGGTHSQWNKPSKPKTNMKHMAGAAAAGA 120121 VVGGLGGYMLGSAMSRPIIHFGSDYEDRYY 150151 RENMHRYPNQVYYRPMDEYSNQNNFVHDCV 180181 NITIKQHTVTTTTKGENFTETDVKMMERVV 210211 EQMCITQYERESQAYYQRGSSMVLFSSPPV 240241 ILLISFLIFLIVG 253
- (1)図2 に示すPrPSc は、図1 に示すPrPᶜ に比べてβ シート構造が多い。
- (2)β シート構造の安定性は、並行するペプチド鎖間で形成されるジスルフィド(S︲S)結合によっている。
- (3)図3 に示すPrP に点在するプロリンは、その環状構造により二次構造の形成とその規則性に影響を与えている。
- (4)図3 に示すPrP に多く存在するグリシンは、特定の二次構造からループ構造への変化を妨げる要因となっている。
- (5)PrPᶜ においてGPI アンカーが結合するアミノ酸残基は、図3 で1 番目のメチオニンである。
正答 (1)(3)
正答は (1)と(3)。異常型 PrPSc は正常型 PrPᶜ よりβシートが多く、プロリンは環状の側鎖で主鎖の向きを縛り二次構造に影響します。
図1の PrPᶜ はαヘリックスが主体で、βシートは小さな部分だけです。図2の PrPSc では、平たい矢印(βストランド)が何本も並んだβシートが大きく広がっています。プロリンは側鎖が主鎖の窒素と環をつくるため、ペプチド結合の回転が制限され、αヘリックスを途切れさせたり折れ曲がりをつくったりします。
【ほかの選択肢】
(2) βシートを安定にしているのは、並んだペプチド鎖の主鎖どうしの水素結合。ジスルフィド結合ではない 誤り
解説の続きをみる続きを閉じる
(4) グリシンは側鎖が水素だけで動きやすく、ループや折れ曲がりをつくりやすい。ループへの変化を妨げるのではない 誤り
(5) GPI アンカーは C 末端側に付加される。1番目のメチオニンは N 末端 誤り
【ポイント】
正常型が異常型と会合してβシートの多い形に変わり、それが次々に広がるのがプリオン病の特徴です。
出典:第109回 薬剤師国家試験 問116(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「薬学理論問題(生物)」のほかの問題
- 2022年(令和4年) 第114問薬物Aに感受性のある培養細胞を用いて、その細胞内の代謝調節タンパク質Bについて調べること
- 2023年(令和5年) 第112問下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ並びにATP 合
- 2025年(令和7年) 第111問心筋の興奮と収縮に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 2025年(令和7年) 第119問細菌毒素に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 2026年(令和8年) 第117問病原細菌の性質に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 2021年(令和3年) 第114問G タンパク質共役受容体(図中の「受容体」)に細胞外からアゴニストが結合し、続いて細胞内
スポンサーリンク



