次の記述は、移相法によるSSB(J3E)波の上側波帯(USB)発生方法の原理について述べたものである。[  ]内に入れる…

無線工学 無線工学 A-12

次の記述は、移相法によるSSB(J3E)波の上側波帯(USB)発生方法の原理について述べたものである。[  ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。(1) 図において、平衡変調器1に搬送波vcと信号波vsを加え、平衡変調器2にvcとvsの位相を移相器によりそれぞれπ/2〔rad〕ずらしたものを加え、両平衡変調器から抑圧搬送波両側波帯(DSB)を出力させる。(2) この両平衡変調器出力の上側波帯(USB)及び下側波帯(LSB)を合成するとき、一方は打ち消しあい、他方は強め合うようにすればSSB波が得られる。(3) すなわち、平衡変調器1の出力v1は、搬送波vc = Ec sin ωt 、信号波vs = Es cos pt 、比例定数をkとすれば、v1 = k vcvs = k Ec Es sin ωt cos pt = k/2 Ec Es{ sin(ω + p)t + sin(ω-p)t }が得られ、平衡変調器2の出力v2は次のとおりとなる。v2 = k Ec Es cos ωt sin pt = k/2 Ec Es{[A]}(4) よって、両者の合成出力voはvo = v1 + v2 = k Ec Es[B]となり、上側波帯(USB)の信号が得られる。

第一級アマチュア無線技士 2026年(令和8年)5月期 無線工学 A-12の図
正答 (3)
正答は (3)。 【結論】 三角関数の積を和に直す公式 cosA sinB = (1/2){sin(A+B) - sin(A-B)} を使います。 A 平衡変調器2の出力は、  v2 = kEcEs cos ωt sin pt   = (k/2)EcEs{sin(ω+p)t - sin(ω-p)t} B v1とv2を加えると、  vo = (k/2)EcEs{sin(ω+p)t + sin(ω-p)t + sin(ω+p)t - sin(ω-p)t}
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  = kEcEs sin(ω+p)t 下側波帯(ω-p)の成分が打ち消し合い、上側波帯(ω+p)の成分が2倍に強め合うので、USBの信号が得られます。 したがって A は「sin(ω+p)t-sin(ω-p)t」、B は「sin(ω+p)t」の (3) です。 【誤りの選択肢】 (1) (2) Aの符号が逆です。cos ωt sin pt を展開すると、sin(ω+p)tの項が+になります (2) (4) Bをsin(ω-p)tとすると下側波帯(LSB)が残ることになり、Aの正しい式と組み合わせた合成の結果と合いません 【関連する知識】 移相法は、フィルタで不要な側波帯を取り除くフィルタ法と違い、急峻な帯域フィルタが要りません。そのかわり、信号波を広い周波数範囲で正確にπ/2移相する必要があります。

出典:2026年(令和8年)5月期 第一級アマチュア無線技士 無線工学 A-12(公益財団法人日本無線協会 公表)出典元ページ

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