次の文章は,火力発電所のタービン発電機に関する記述である。火力発電所のタービン発電機は,2 極の回転界磁形三相[ア]発電…
電力 第2問
次の文章は,火力発電所のタービン発電機に関する記述である。火力発電所のタービン発電機は,2 極の回転界磁形三相[ア]発電機が広く用いられている。[イ]強度の関係から,回転子の構造は[ウ]で直径が[エ]。発電機の大容量化に伴い冷却方式も工夫され,大容量タービン発電機の場合には密封形[オ]冷却方式が使われている。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)(ア): 同期 (イ): 熱的 (ウ): 突極形 (エ): 小さい (オ): 窒素
- (2)(ア): 誘導 (イ): 熱的 (ウ): 円筒形 (エ): 大きい (オ): 水素
- (3)(ア): 同期 (イ): 機械的 (ウ): 円筒形 (エ): 小さい (オ): 水素
- (4)(ア): 誘導 (イ): 機械的 (ウ): 突極形 (エ): 大きい (オ): 窒素
- (5)(ア): 同期 (イ): 機械的 (ウ): 突極形 (エ): 小さい (オ): 窒素
正答 (3)
正答は (3)。
【空白(ア) 同期】
火力発電所で発電機として使われるのは三相同期発電機です。回転界磁形、すなわち回転子側に界磁巻線を置き、固定子側に電機子巻線を置く構造が標準で、大きな電流を取り出す電機子側を静止させることで引出線の処理が容易になり、絶縁も楽になります。誘導発電機は風力発電などの小容量で使われることはありますが、火力の主機には用いません。よって(ア)が「誘導」の(2)(4)は外れます。
【空白(イ)(ウ)(エ) 機械的・円筒形・小さい】
タービン発電機は2極機が広く使われ、50Hz なら3000 min のマイナス1乗、60Hz なら3600 min のマイナス1乗 という高速で回ります。
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Ns = 120 × f ÷ p = 120 × 60 ÷ 2 = 3600
高速回転では回転子に大きな遠心力がかかります。遠心力は半径に比例し、回転速度の2乗に比例しますから、機械的強度の点から回転子の直径は小さく抑えなければなりません。そして、直径を小さくしたうえで強度を確保するには、突起のある突極形ではなく、一体の円筒に溝を切って界磁巻線を納める円筒形(非突極形)が適します。直径を小さくした分は軸方向に長くして容量を稼ぎます。したがって「機械的」「円筒形」「小さい」の組合せになり、突極形としている(1)(5)は外れます。
【空白(オ) 水素】
大容量タービン発電機では、密封形の水素冷却方式が用いられます。水素を使う理由は、空気に比べて熱伝導率が大きく熱をよく運ぶこと、密度が小さいため回転子が空気をかき回す風損が小さくなること、コロナ発生時に絶縁物を傷める生成物ができにくいことなどです。空気と混ざると爆発の危険があるので、軸受部を密封して外部への漏れを防ぎます。窒素は冷却性能の点で水素に及ばず、この用途では使いません。
【結論】
同期・機械的・円筒形・小さい・水素 の組合せをもつ (3) が正答です。
出典:令和4年度上期第三種電気主任技術者 電力科目 問2(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
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