裁判の公開に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。…
憲法 問題7
裁判の公開に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- (1)裁判は、公開法廷における対審および判決によらなければならないので、カメラ取材を裁判所の許可の下に置き、開廷中のカメラ取材を制限することは、原則として許されない。
- (2)裁判所が過料を科する場合は、それが純然たる訴訟事件である刑事制裁を科す作用と同質であることに鑑み、公開法廷における対審および判決によらなければならない。
- (3)証人尋問の際に、傍聴人と証人との間で遮へい措置が採られても、審理が公開されていることに変わりはないから、裁判の公開に関する憲法の規定には違反しない。
- (4)傍聴人は法廷で裁判を見聞できるので、傍聴人が法廷でメモを取る行為は、権利として保障されている。
- (5)裁判官の懲戒の裁判は行政処分の性質を有するが、裁判官の身分に関わる手続であるから、裁判の公開の原則が適用され、審問は公開されなければならない。
正答 (3)
正答は (3)。これが妥当です。
判例(最判平成17年4月14日)は、証人尋問の際に傍聴人と証人との間で遮へい措置をとったり、ビデオリンク方式をとったりしても、審理が公開されていることに変わりはないから、憲法82条1項・37条1項に違反しないとしました。
【ほかの選択肢】
(1) 妥当でない
北海タイムス事件(最大決昭和33年2月17日)は、公判廷における写真撮影等を裁判所の許可の下に置き、開廷中の撮影を制限する刑事訴訟規則215条は、公判廷の秩序の維持や被告人等の利益の保護のためのもので、憲法に違反しないとしました。
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(2) 妥当でない
判例(最大決昭和41年12月27日)は、裁判所が過料を科する作用は、国家のいわば後見的民事監督の作用であって、純然たる訴訟事件ではなく、非訟事件手続法による過料の裁判を公開の法廷における対審・判決によらないでしても、憲法82条・32条に違反しないとしました。
(4) 妥当でない
レペタ事件(最大判平成元年3月8日)は、傍聴人が法廷でメモを取ることは、その見聞する裁判を認識・記憶するためになされるものである限り、尊重に値し、故なく妨げられてはならないとしましたが、これは憲法21条1項の精神に照らしてのことで、メモを取る行為が権利として保障されているとはしていません。
(5) 妥当でない
寺西判事補事件(最大決平成10年12月1日)は、裁判官に対する懲戒は裁判所が裁判という形式をもってするが、その実質は裁判官に対する行政処分の性質を有するもので、憲法82条1項の「裁判」には当たらず、公開の法廷における対審・判決による必要はないとしました。
出典:令和4年度 行政書士試験 問題7(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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