捜査とプライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。…
憲法 問題4
捜査とプライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- (1)個人の容ぼうや姿態は公道上などで誰もが容易に確認できるものであるから、個人の私生活上の自由の一つとして、警察官によって本人の承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を認めることはできない。
- (2)憲法は、住居、書類および所持品について侵入、捜索および押収を受けることのない権利を定めるが、その保障対象には、住居、書類および所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に侵入されることのない権利が含まれる。
- (3)電話傍受は、通信の秘密や個人のプライバシーを侵害するが、必要性や緊急性が認められれば、電話傍受以外の方法によって当該犯罪に関する重要かつ必要な証拠を得ることが可能な場合であっても、これを行うことが憲法上広く許容される。
- (4)速度違反車両の自動撮影を行う装置により運転者本人の容ぼうを写真撮影することは憲法上許容されるが、運転者の近くにいるため除外できないことを理由としてであっても、同乗者の容ぼうまで撮影することは許されない。
- (5)GPS 端末を秘かに車両に装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅的に把握するものであるが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異ならず、憲法が保障する私的領域を侵害するものではない。
正答 (2)
正答は (2)。これが妥当です。
GPS捜査事件(最高裁大法廷平成29年3月15日判決)は、憲法35条が保障の対象とするのは「住居、書類及び所持品」に限られず、これらに準ずる私的領域に「侵入」されることのない権利も含まれるとしました。そのうえで、GPS端末をひそかに車両に取り付けて位置を探る捜査は、個人のプライバシーを侵害し得るものとして、令状が必要な強制の処分に当たると判断しています。記述はこの判示のとおりです。
【ほかの選択肢】
(1) 京都府学連事件(最高裁大法廷昭和44年12月24日判決)は、個人の私生活上の自由の一つとして、承諾なしにみだりに容ぼう・姿態を撮影されない自由を認め、警察官が正当な理由もないのに撮影することは憲法13条の趣旨に反し許されないとしました 誤り
解説の続きをみる続きを閉じる
(3) 電話傍受について最高裁平成11年12月16日決定は、重大な犯罪の嫌疑、傍受以外の方法では重要かつ必要な証拠を得ることが著しく困難であることなどの要件がある場合に、令状による傍受が許されるとしました。他の方法で証拠を得られる場合にも広く許されるわけではありません 誤り
(4) 自動速度監視装置による撮影について最高裁昭和61年2月14日判決は、運転者の近くにいるため除外できない同乗者の容ぼうが撮影されることになっても、憲法13条・21条などに違反しないとしました 誤り
(5) 上の GPS捜査事件は、GPS捜査は公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法とは異なり、個人の行動を継続的・網羅的に把握することを必然的に伴うもので、私的領域に侵入するものだとしました 誤り
出典:令和3年度 行政書士試験 問題4(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
この試験問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターの許諾を得て掲載しています。無断での転載・複製を禁じます。解説は過去問NAVIが独自に作成したもので、同センターの見解ではありません。
最終更新日
「憲法」のほかの問題
- 2020年(令和2年度) 問題6衆議院の解散に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 2022年(令和4年度) 問題4薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬
- 2022年(令和4年度) 問題7裁判の公開に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- 2023年(令和5年度) 問題5罷免・解職に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 2024年(令和6年度) 問題4インターネット上の検索サービスにおいて、ある人物Xの名前で検索をすると、Xの過去の逮捕歴
- 2024年(令和6年度) 問題7国会議員の地位・特権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
スポンサーリンク

