損益相殺ないし損益相殺的調整に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。…

民法 問題34

損益相殺ないし損益相殺的調整に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

正答 (4)
正答は (4)。これが妥当です。 判例(最判平成20年6月10日)は、ヤミ金融業者が著しく高利の貸付けという形をとって借主から元利金等の名目で違法に金員を取得し多大の利益を得るという反倫理的行為に該当する不法行為の手段として金員を交付した場合、借主が貸付金に相当する利益を得たとしても、これを損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することは、民法708条の趣旨に反するものとして許されないとしました。 【ほかの選択肢】 (1) 妥当でない 判例(最判昭和39年6月24日)は、幼児が死亡した場合に親が支出を免れた養育費は、幼児の逸失利益から控除すべきではないとしました。養育費と逸失利益は同質の利益とはいえないからです。
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(2) 妥当でない 判例(最判昭和39年9月25日)は、生命保険金は払い込んだ保険料の対価として支払われるもので、不法行為の原因と関係なく支払われるから、損害額から控除すべきではないとしました。 (3) 妥当でない 判例(最大判平成5年3月24日)は、退職年金の受給者が死亡して遺族が遺族年金の受給権を取得した場合、遺族年金は退職年金の逸失利益という損害と同質性があり、その填補の性質を持つとして、支給を受けることが確定した遺族年金の額の限度で損害額から控除すべきであるとしました(まだ支給が確定していない分は控除しません)。遺族年金を控除の対象外であるかのように述べる記述は妥当ではありません。 (5) 妥当でない 判例(最判平成22年6月17日)は、新築建物に構造耐力上の安全性に関わる重大な瑕疵があり、倒壊の具体的なおそれがあるなど社会経済的な価値を有しないと評価すべき場合には、買主が建て替えまでその建物に居住していたという利益を、建て替え費用相当額の損害賠償額から控除することはできないとしました。

出典:令和5年度 行政書士試験 問題34(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ

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