A所有の動産甲(以下「甲」という。)を、BがCに売却する契約(以下「本件契約」という。)に関する次の記述のうち、民法の規…

民法 問題32

A所有の動産甲(以下「甲」という。)を、BがCに売却する契約(以下「本件契約」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

正答 (5)
正答は (5)。妥当なのはこれです。 一般社団法人の代表理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律77条5項)。Cは定款の定めを知っていたので、この規定では保護されません。しかし、判例(最判昭和60年11月29日)は、理事会の承認などの制限があることを知っている第三者でも、理事が当該具体的行為につき理事会の決議等を得て適法に代表権を有するものと信じ、かつ、そのように信じるにつき正当な理由があるときは、民法110条を類推適用して法人はその行為につき責任を負うとしました。承認を得ていると過失なく信じたCとの契約は有効となります。
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【ほかの選択肢】 (1) 妥当でない 他人の権利を目的とする売買も有効で、売主は権利を取得して買主に移転する義務を負います(561条)。判例は、契約の当初から所有者に譲渡の意思がなく、権利を移転できない場合であっても、売買契約は有効に成立するとしています。 (2) 妥当でない 判例(最大判昭和49年9月4日)は、権利者が他人物売主を相続した場合、権利者は相続前と同様、その権利の移転につき諾否の自由を保有し、信義則に反すると認められるような特別の事情のない限り、売主としての履行義務を拒否できるとしました。Cが当然に所有権を取得するわけではありません。 (3) 妥当でない 即時取得は、前主に処分権限がない場合に取引の安全を図る制度で、代理権の欠缺を補うものではありません。無権代理行為による取引で、Cが即時取得によって所有権を取得することはありません(表見代理が成立するかの問題になります)。 (4) 妥当でない 相手方が無権代理であることを過失によって知らなかったときは、原則として無権代理人の責任(117条1項)を追及できませんが、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたときは、過失があっても追及できます(117条2項2号ただし書)。代理人と偽ったBは自分に代理権がないことを知っているので、Cは履行又は損害賠償を請求できます。

出典:令和6年度 行政書士試験 問題32(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ

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