次のうち,この場面で協議会が計画を作成する際に,根拠にしたものとして,適切なものを1 つ選びなさい。…

精神保健福祉の原理 第27問

〔事例〕相談支援事業所に勤務するA精神保健福祉士は,「障害者総合支援法」に基づき市に設置されている協議会の委員を務めている。A精神保健福祉士は,協議会が主催する精神保健福祉ボランティア講座の講師を担った。精神障害に関する講義の後に行ったグループワークで,ある参加者から,知人が「精神障害者は危険なので病院に閉じ込めておくべきだ」と強く語っていたこと,その考えは誤りであると否定したが,うまく納得してもらえなかったエピソードが紹介された。A精神保健福祉士は,このエピソードの背景にある課題の解決に向けた取組が必要と考え,協議会で問題提起した。そこで,A精神保健福祉士は,この課題解決の取組を検討する議論に精神障害の当事者も加わり意見を反映させることが重要であると考え,当事者を委員に加えることを提案し,了承された。次の協議会で,提起した課題が議論された。新たに参加した当事者委員から「病気になる前はストレスフルな状況が続いても無理をしていたが,自分が精神疾患になるとは思っていなかった」と語られた。また,病気になって周囲から差別を受けたり,精神疾患を理由に恋人との結婚を周囲から反対されたりしたこと,そのうち,障害者の仲間以外との関わりがほとんど無くなったことなど,生活での苦労の経験が語られた。一方で,A精神保健福祉士がそれらの経験の中で得たことを質問すると,近所に病気や苦労を理解してくれる人がいて救われたことや,新たな生き方に価値を見いだせるようになったことが当事者委員から語られた。A精神保健福祉士は,当事者委員が語った苦労の背景にある課題の改善に向けて,精神障害者の人生の価値を共有できるような市民向けの講座を行うことを提案した。協議会では他にも活発な意見が出され,講座の計画が作成された。次のうち,この場面で協議会が計画を作成する際に,根拠にしたものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

正答 (2)
正答は (2)。適切なのはこれです。 「こころのバリアフリー宣言」は、2004年に厚生労働省の検討会がまとめた、精神疾患を正しく理解し、新しい一歩を踏み出すための指針です。精神疾患を自分の問題として考えること、心の不調に気づくこと、自分らしく生きている姿を認め合うこと、出会いは理解の第一歩であること、互いに支え合う社会づくりなどを掲げています。当事者委員の「自分が精神疾患になるとは思っていなかった」という語りや、理解してくれる人に救われた経験を踏まえ、精神障害者の人生の価値を共有する市民講座を計画する根拠に合います。
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【ほかの選択肢】 (1) ヘルパー・セラピー原則は、援助する人自身が援助を通じて 恩恵を受けるという考え方で、市民講座の計画の根拠ではあり ません。 誤り (3) 「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は、職場の メンタルヘルスケアの指針です。 誤り (4) クラーク勧告(1968年)は、WHOから派遣されたクラークが、 日本の精神科病院の長期入院の解消と地域でのケアなどを勧告したものです。 誤り (5) 意思決定支援ガイドラインは、障害福祉サービスの提供の場面で 本人の意思決定を支援する方法を示したものです。 誤り

出典:精神保健福祉士国家試験 第28回(令和7年度)(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 公表試験問題)出典元ページ

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