58 歳の女性。上顎左側臼歯部の腫脹と鈍痛を主訴として来院した。1 年前から自覚し、徐々に増大しているという。同部の歯肉…
D問題 第49問
58 歳の女性。上顎左側臼歯部の腫脹と鈍痛を主訴として来院した。1 年前から自覚し、徐々に増大しているという。同部の歯肉頰移行部に線状の瘢痕を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 14A)、エックス線画像(別冊No. 14B)、CT(別冊No. 14C)、穿刺吸引時の内容液の写真(別冊No. 14D)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 14E)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- (1)歯根囊胞
- (2)上顎洞癌
- (3)歯性上顎洞炎
- (4)術後性上顎囊胞
- (5)上顎洞粘液貯留囊胞
正答 (4)
正答は (4)。上顎洞の手術の既往(歯肉頰移行部の瘢痕)、骨を押し広げる嚢胞、チョコレート色の内容液、線毛上皮から、術後性上顎嚢胞です。
【見るところ】
口腔内写真(A)では、上顎左側の歯肉頰移行部に線状の瘢痕があります。CT(C)では、左側の上顎洞が軟組織の濃度で満たされ、骨壁が膨らんで一部が薄くなっています。内容液(D)は茶褐色(チョコレート様)で、病理組織像(E)では嚢胞の壁が多列線毛円柱上皮で覆われています。
上顎洞根治手術(Caldwell-Luc 手術)の十数年〜数十年後に、残った洞粘膜から嚢胞ができて、頰部の腫れや痛みを起こします。瘢痕は以前の手術の切開の跡です。
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【ほかの選択肢】
(1) 歯根嚢胞は失活歯の根尖に生じ、内面は重層扁平上皮なので 誤り
(2) 上顎洞癌では骨の破壊と異型のある細胞が見られ、嚢胞の像ではないので 誤り
(3) 歯性上顎洞炎は原因歯の根尖病変から洞粘膜が肥厚する炎症で、骨を膨らませる嚢胞ではないので 誤り
(5) 上顎洞粘液貯留嚢胞は洞底のドーム状の小さな病変で、骨を膨らませず、手術の既往とも関係しないので 誤り
出典:2023年(令和5年) 歯科医師国家試験 問49(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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