23 歳の男性。下あごが出ていることを主訴として来院した。診断の結果、上顎両側第一小臼歯と下顎両側第三大臼歯の抜去後、下…
B問題 第39問
23 歳の男性。下あごが出ていることを主訴として来院した。診断の結果、上顎両側第一小臼歯と下顎両側第三大臼歯の抜去後、下顎枝矢状分割術による外科的矯正治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 11A)、口腔内写真(別冊No. 11B)及びエックス線画像(別冊No. 11C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。術前矯正治療における治療方針の組合せで適切なのはどれか。1 つ選べ。
- (1)上顎前歯の唇側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜
- (2)上顎前歯の舌側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜
- (3)下顎前歯の唇側傾斜 下顎臼歯の頰側傾斜
- (4)下顎前歯の舌側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜
- (5)下顎前歯の舌側傾斜 下顎臼歯の舌側傾斜
正答 (3)
正答は (3)。下顎前歯の唇側傾斜と下顎臼歯の頰側傾斜の組合せです。
【見るところ】
A:側貌で下顎とオトガイが前に出ています(凹型の側貌)。
B:前歯は切端咬合から反対咬合で、大臼歯はⅢ級の関係です。
セファロ分析:ANB角が小さく(マイナス)骨格性Ⅲ級です。FH平面に対する上顎中切歯歯軸傾斜角は大きく(上顎前歯が唇側へ傾く)、下顎下縁平面に対する下顎中切歯歯軸傾斜角は小さい(下顎前歯が舌側へ傾く)です。
骨格性の下顎前突では、骨のずれを歯が補おうとして、上顎前歯は唇側へ、下顎前歯は舌側へ傾いています。臼歯部でも、上顎臼歯は頰側へ、下顎臼歯は舌側へ傾いて、上下の歯列の幅のずれを補っていることが多いです(デンタルコンペンセーション)。外科的矯正治療の術前矯正では、この補償を取り除いて(ディコンペンセーション)、歯を顎骨に対して正しい傾きに戻し、手術で顎の位置を正したときに歯がきちんと咬み合うようにします。
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前歯:上顎は第一小臼歯の抜歯の空隙で舌側へ傾斜させ、下顎は唇側へ傾斜させる
臼歯:下顎臼歯は頰側へ起こし、上顎臼歯は舌側(口蓋側)へ起こす
下顎を後方へ下げると、上顎臼歯には下顎の歯列のより前の(幅の狭い)部分が向かい合うので、上下の歯列の幅を合わせるためにも、この方向の整え方が必要になります。選択肢では(3)がこの方針に合っています。
【ほかの選択肢】
(1) 上顎前歯の唇側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜 どちらも補償をさらに強める方向 誤り
(2) 上顎前歯の舌側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜 前歯の方針は合っているが、上顎臼歯は頰側ではなく口蓋側へ起こす 誤り
(4) 下顎前歯の舌側傾斜 上顎臼歯の頰側傾斜 どちらも補償を強める方向 誤り
(5) 下顎前歯の舌側傾斜 下顎臼歯の舌側傾斜 どちらも補償を強める方向 誤り
出典:2024年(令和6年) 歯科医師国家試験 問39(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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