70 歳の女性。左側舌縁部の知覚鈍麻を主訴として来院した。3 か月前から徐々に増悪してきたという。初診時の口腔内写真(別…

D問題 第42問

70 歳の女性。左側舌縁部の知覚鈍麻を主訴として来院した。3 か月前から徐々に増悪してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A)、MRI(別冊No. 10B)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 10C)を別に示す。病変の発生部位と病理診断の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。

歯科医師 2024年(令和6年) 第42問の写真(1/3)歯科医師 2024年(令和6年) 第42問の写真(2/3)歯科医師 2024年(令和6年) 第42問の写真(3/3)
正答 (5)
正答は (5)。舌下腺と腺様嚢胞癌です。 【見るところ】 口腔内写真(別冊No. 10A)では、左側の口底がやや盛り上がり、表面の粘膜は保たれています。MRI(別冊No. 10B)では、左側の口底の舌下部に、造影されて脂肪抑制T2 強調像で高信号を示す腫瘤があり、顎下腺とは離れた舌下腺の部位にあります。生検の病理組織像(別冊No. 10C)では、小さな暗い腫瘍細胞が、粘液様の物質をためた大小の偽嚢胞をつくりながら胞巣を形成する篩状(スイスチーズ状、cribriform)の構造を示しています。
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舌下腺に発生した腺様嚢胞癌です。腺様嚢胞癌は唾液腺の悪性腫瘍で、ゆっくり進みますが神経に沿って広がる(神経周囲浸潤)性質が強く、この症例の舌縁の知覚鈍麻は、舌神経への浸潤によると考えられます。局所の再発や、肺への遠隔転移が遅れて起こることがあり、長期の経過観察が必要です。舌下腺の腫瘍は少ないものの、悪性の割合が非常に高いことも特徴です。 【ほかの選択肢】 (1) 顎下腺 多形腺腫  腫瘤は舌下腺の部位にあり、組織像も多形腺腫(上皮成分と粘液腫様・軟骨様の間質の混在)ではない 誤り (2) 顎下腺 腺様嚢胞癌  組織像は合うが、発生部位が違う 誤り (3) 舌下腺 粘表皮癌  粘液産生細胞・類表皮細胞・中間細胞が混在する組織像で、篩状構造は特徴ではない 誤り (4) 舌下腺 腺房細胞癌  好塩基性の顆粒をもつ腺房細胞に似た細胞が増殖する。耳下腺に多い 誤り

出典:2024年(令和6年) 歯科医師国家試験 問42(厚生労働省 公表)出典元ページ

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