痔及び痔疾用薬に含まれている成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。…
主な医薬品とその作用 第88問
痔及び痔疾用薬に含まれている成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。a 直腸粘膜と皮膚の境目となる歯状線より上部の直腸粘膜にできた痔核は内痔核と呼ばれ、排便と関係なく、出血や患部の痛みを生じる。b 痔に対しては、痔疾用薬の使用と併せて、痔を生じた要因となっている生活習慣の改善等が図られることが重要である。c 局所麻酔成分であるアルミニウムクロルヒドロキシアラントイネートは、痔に伴う痛みや痒みを和らげることを主な目的として用いられる。d メチルエフェドリン塩酸塩は、血管収縮作用による止血効果を期待して配合されていることがある。
- (1)(a、b)
- (2)(a、c)
- (3)(b、c)
- (4)(b、d)
- (5)(c、d)
正答 (4)
正答は (4)。正しいのは(b)と(d)です。
【(a)が誤り ―― 内痔核は痛みを感じにくい】
内痔核は、歯状線より上部の直腸粘膜にできた痔核です。ここまでは設問のとおりですが、その先が誤っています。
直腸粘膜には知覚神経が通っていないため、内痔核は、自覚症状が少ないことが特徴です。排便と関係なく痛みを生じるのではなく、痛みを感じにくいのです。
内痔核が生じると、排便時に成長した痔核が肛門からはみ出て(脱肛)、手で押し込まないと戻らなくなることや、排便時に出血することがあります。
外痔核と対比して覚えてください。
解説の続きをみる続きを閉じる
内痔核 歯状線より上部の直腸粘膜にできる。知覚神経が通っていないため自覚症状が少ない。排便時の出血、脱出
外痔核 歯状線より下部の肛門の出口側にできる。内痔核と異なり、排便と関係なく、出血や患部の痛みを生じる
歯状線を境に、痛みを感じるかどうかが分かれる、という構造で理解してください。
なお、裂肛(切れ痔)は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態で、便秘等の硬い便を排泄する際に、肛門の皮膚が切れてしまった状態です。
【(b)正しい ―― 生活習慣の改善が重要】
痔に対しては、痔疾用薬の使用と併せて、痔を生じた要因となっている生活習慣の改善等が図られることが重要です。
痔は、肛門に過度の負担をかけることが一因であり、長時間座るなど、同じ姿勢を継続することや、便秘、ストレス等が要因となります。薬だけでは根本的な解決になりません。
【(c)が誤り ―― アルクロキサは組織修復成分】
アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート(アルクロキサ)は、組織修復成分です。局所麻酔成分ではありません。
痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して配合されます。アラントインも同じ働きをします。
局所麻酔成分は、リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、プロカイン塩酸塩などで、痔に伴う痛み・痒みを和らげる目的で用いられます。
【(d)正しい ―― メチルエフェドリンと止血】
メチルエフェドリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、血管収縮作用による止血効果を期待して配合されることがあります。
同じ目的で、ナファゾリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩なども用いられます。
アドレナリン作動成分が配合された坐剤および注入軟膏については、次の注意があります。
交感神経系に対する刺激作用によって、心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある
使用前に相談が必要
【外用痔疾用薬の主な成分】
局所麻酔成分 痛み・痒みを和らげる
鎮痒成分(抗ヒスタミン成分) ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩。痒みを和らげる
局所刺激成分 クロタミトン(温感刺激)、カンフル、ハッカ油、メントール(冷感刺激)
収斂保護止血成分 タンニン酸、酸化亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、卵黄油
抗炎症成分 ヒドロコルチゾン酢酸エステル、プレドニゾロン酢酸エステル(ステロイド性)、グリチルレチン酸(非ステロイド性)
組織修復成分 アラントイン、アルクロキサ
殺菌消毒成分 クロルヘキシジン塩酸塩、セチルピリジニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル) 肛門周囲の末梢血管の血行を改善する
一般用医薬品は、比較的軽度の症状の緩和を目的とするものであり、一定期間使用してもなお、排便時の出血、疼痛、患部の痒み等の症状が続く場合には、専門医の診療を受ける必要があります。
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
「主な医薬品とその作用」のほかの問題
- 令和6年度 第68問小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)に関する次の記述の正誤について
- 令和6年度 第81問胃腸に作用する薬の成分について次のうち、胃粘膜の炎症を和らげることを目的として配合されて
- 令和6年度 第94問次のビタミンのうち、歯槽膿漏薬において、歯周組織の血行を促す効果を期待して配合されている
- 令和8年度 第67問カフェインに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- 令和8年度 第80問内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)に含まれている成分に関する次の記述の正誤につい
- 令和8年度 第93問白癬の治療に用いられる抗真菌成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
スポンサーリンク

