脳や神経系の働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
人体の働きと医薬品 第53問
脳や神経系の働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 延髄は、自律神経系やホルモン分泌等の調節機能を担っている。b 小児では、血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。c 脊髄は、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合がある。d 副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はノルアドレナリンである。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (2)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
- (3)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 誤
- (4)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (5)a: 誤 b: 誤 c: 誤 d: 正
正答 (3)
正答は (3)。b と c が正しい記述です。
【(a)が誤り ―― それは視床下部の働き】
自律神経系やホルモン分泌等の調節機能を担っているのは視床下部です。延髄ではありません。
延髄が担っているのは、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢などです。延髄は脳と脊髄をつなぐ部位で、複雑な機能の中枢が存在しています。
視床下部 自律神経系、ホルモン分泌、体温の調節
延髄 心臓中枢、呼吸中枢
この2つを入れ替えるのは定番です。
【(b)正しい ―― 小児の血液脳関門】
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脳の毛細血管が中枢神経の間質液となる組織液に物質を送り込む際には、一定の物質だけが通過できる仕組み(血液脳関門)があります。
小児では血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を生じやすくなります。小児にかぜ薬や乗物酔い防止薬を与えるときに注意が必要なのは、このためです。
なお、高齢者では血液脳関門が加齢とともに低下するとされ、こちらも医薬品の成分が脳に移行しやすくなります。
【(c)正しい ―― 脊髄反射】
脊髄は、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があります。これを脊髄反射といいます。
熱いものに触れたときに、熱いと感じるより先に手が引っ込むのがこれです。脳に伝えてから命令を返していては間に合わない場面のための仕組みです。
【(d)が誤り ―― 副交感神経はアセチルコリン】
副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンです。ノルアドレナリンは交感神経の節後線維の末端から放出されます。
交感神経 ノルアドレナリン(アドレナリン作動成分が真似る側)
副交感神経 アセチルコリン(抗コリン成分が邪魔する側)
ここを固めておかないと、第3章の成分の作用がまるごと理解できなくなります。例外として、汗腺を支配する交感神経線維の末端ではアセチルコリンが伝達物質として放出されます(ただし、腋窩に分布するアポクリン腺を支配する交感神経線維の末端ではノルアドレナリン)。この例外は穴埋めでよく問われます。
出典:登録販売者試験 令和8年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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