消毒薬の取扱い上の注意に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
主な医薬品とその作用 第58問
消毒薬の取扱い上の注意に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a アルカリ性の消毒薬が誤って目に入った場合は、直ちに中和剤を用いて中和することとされている。b 日本薬局方に収載されているクレゾール石ケン液は、原液を水で希釈して用いられるが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要がある。c 次亜塩素酸ナトリウムは、アルカリ性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意する必要がある。d ポリアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩は、有機塩素系殺菌消毒成分であり、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (2)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (3)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 正
- (4)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (5)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 誤
正答 (5)
正答は (5)。組み合わせは a 誤、b 正、c 誤、d 誤 です。
【(a)が誤り ―― 中和剤は用いない】
消毒薬が誤って目に入った場合は、流水で十分(15分間以上)洗眼します。このとき、酸やアルカリが目に入った場合には、中和剤を用いません。
理由は、中和反応によって生じる熱で、かえって組織に損傷を与えるおそれがあるためです。「直ちに中和剤を用いて中和する」は誤りです。
洗眼後は、早期に医師の診察を受けることが重要です。
誤用・事故の際の応急処置を整理しておきましょう。
目に入った場合 …… 流水で15分間以上洗眼。中和剤は用いない。早期に受診
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皮膚に付着した場合 …… 流水をかけながら石けんを用いて洗う。中和剤は用いない
飲み込んだ場合 …… 通常は多量の牛乳などを飲ませる。自己判断で安易に吐かせない
吸入した場合 …… 意識がない場合は新鮮な空気の所に運び出し、人工呼吸などをする
吐かせない理由は、消化管に損傷を与えるおそれがあるためです。特にアルカリ性や酸性の消毒薬では、吐かせることで食道を二度傷つけることになります。
【(b)正しい ―― クレゾール石ケン液は原液が刺激性】
日本薬局方に収載されているクレゾール石ケン液は、原液を水で希釈して用いられますが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要があります。記述のとおりです。
付着した場合には、直ちに石けん水と水で洗い流し、炎症などを生じたときには医師の診療を受けることとされています。
クレゾール石ケン液の殺菌消毒作用の範囲も押さえておきましょう。
効く …… 結核菌を含む一般細菌類、真菌類
効かない …… 大部分のウイルス
【(c)が誤り ―― 反応する相手は「酸性」】
次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないよう注意が必要です。問題文は「アルカリ性」としていますので誤りです。
次亜塩素酸ナトリウム自体がアルカリ性であることを思い出せば、「反応する相手は酸性」と導けます。家庭用の表示でいう「まぜるな危険」がまさにこれです。
次亜塩素酸ナトリウムについて、ほかに押さえるべき点は次のとおりです。
強い酸化力により、一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す
皮膚刺激性が強いため、通常、人体の消毒には用いられない
金属腐食性がある
漂白作用がある。毛、絹、ナイロン、アセテート、ポリウレタン、色・柄物には使えない
有機物に触れると反応して殺菌消毒効果が低下するため、吐瀉物や血液等が付着している場合には、あらかじめ十分に洗浄しておく
【(d)が誤り ―― 両性界面活性成分である】
ポリアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩やアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩は、両性界面活性成分です。有機塩素系殺菌消毒成分ではありません。
両性界面活性成分は、アルカリ性側および酸性側の両方で効果を発揮するもので、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示します。
一方、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多いのは、有機塩素系殺菌消毒成分であるジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸等です。
成分の分類と、その説明を入れ替えた誤りですので、次のように整理しておきましょう。
有機塩素系 …… ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸。プール等の大型設備
両性界面活性成分 …… ポリアルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等。結核菌を含む一般細菌類、真菌類に有効
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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